東京電力パワーグリット

【慌てなくても大丈夫】電気がつかない5つの原因

私たちにとって電気は、部屋に明かりを灯し、生活をサポートしてくれる欠かせないものです。
特に、真っ暗な部屋に帰ってきた時に灯される明かりは、1日の疲れを癒してくれる存在ではないでしょうか。

しかし、当たり前のように灯される電気がつかないとなったら、私たちはとても不安になります。
電気がつかない状況には、それぞれ考えられる原因があり、場合によっては自分で復旧させることができます。

今回は、電気のつかない状況・対処方法についてご紹介します。

停電時のろうそくの明かり

1. 電気がつかない状況を把握する

仕事やレジャーなど、外出先から帰って真っ先にすることは、電気をつけることです。部屋を明るくして、「帰ってきた」という安心を得たいと思うはずです。

しかし、何らかの原因によって電気がつかないことがあります。そんな時は、落ち着いて状況を把握してください。

1-1. 家の一部または全体の電気がつかない

自宅や建物内にて、電気がつかない場所を把握してください。
2つのパターンに分けられます。

・玄関やリビングなど一部の電気がつかない
・建物全体の電気がつかない

状況を把握することで、復旧させるための対処が異なります。また、電力会社や電気工事店等に連絡する際も、どんな状況であるのかを聞かれるので、落ち着いて全体の状況を把握してください。

1-2. 周辺一帯も電気がついていない

自宅だけではなく、周辺一帯の状況も確認してください。
周辺一帯も停電している時には、自然災害等により広範囲で停電していることが考えられます。

この場合には、慌てずに電気の復旧を待ちましょう。

※弊社HPでは広域の停電について発信しております。こちらも併せてご確認ください。

停電

2. 電気がつかない5つの原因

電気がつかない原因は5つありますが、状況によって考えられる原因は異なります。

2-1. ブレーカーが落ちている

ブレーカーは3種類あり、それぞれに落ちる原因も異なるので、電気がつかない原因を明確にすることができます。

・アンペアブレーカー

電力会社との契約によって、同時に使用できるアンペア数が異なります。契約アンペア以上の電気を同時に使用するとアンペアブレーカーが落ちてしまいます。

・漏電ブレーカー(漏電遮断器)

電気配線や家電製品が破損や故障して電気が漏れている時に、漏電ブレーカーが落ちます。
漏電が疑われる時は、感電や火災が発生する危険があるので早急に対応する必要があります。

・安全ブレーカー(配線用遮断器)

供給される電気は、玄関、リビング、洗面所といったように安全ブレーカーで分配されます。契約したアンペア数以内であっても、一部分で同時に多くの電気を使用すると安全ブレーカーが落ちます。

一部だけ電気がつかない時には、安全ブレーカーが落ちている可能性があります。

2-2. 照明器具の故障

照明器具の故障や球切れなどにより、電気がつかなくなることがあり、この場合新しいものと交換する必要があります。しかし、交換しても電気がつかないことがあります。

<主な原因>
・電球やグローランプ、照明器具の接続部分がしっかりはまっていない
・ブレーカーやスイッチが切れている
・照明器具に至る電気配線、機器接続部、スイッチ等の故障や劣化

照明器具の交換は簡単にできます。(器具により電気工事が必要な場合あり)

例えば、引掛シーリングと呼ばれる接続部分に、照明器具を取り付けるだけですが、きちんとはまっておらず、電気がつかないことがあります。

電球や照明器具がしっかりはまっていて、ブレーカーやスイッチが切れていないのに点灯しない場合は、有資格者による電気工事が必要となる場合がありますので、電気工事店等に依頼するのが賢明です。

2-3. 計画的な工事停電をしている

自宅だけでなく、周辺一帯が停電している時があります。
この場合は、電力会社によって計画的な工事停電をしていることが考えられます。

停電させる理由としては、主に電柱や電線の修理や交換です。情報は、事前のチラシ等による告知で確認することができます。

2-4. 自然災害による停電

自然災害によって、電線が切れたり電柱が倒れるなどして停電することがあります。

突然襲われる自然災害の場合は、停電だけでなく電柱が倒れたり、配線が切断されるなどにより、電気の復旧までに時間がかかることがあります。ご不便をおかけしますが、復旧をお待ちください。

※弊社HPでは広域の停電について発信しております。こちらも併せてご確認ください。

2-5. ブレーカーが故障している

家庭に供給される電気の安全を守り、各部屋に電気を分けているのが分電盤です。
この分電盤の中には、2-1で記載した3種類のブレーカーが付いています。
故障することは、あまり多くはありませんが、長年使用することで経年劣化しブレーカーが誤作動してしまうことがあります。

漏電などの異常がないのに誤作動によって、ブレーカーが頻繁に落ちてしまい、停電してしまうことがあります。

分電盤やブレーカーの交換推奨時期は13年~15年と言われています。
故障してしまう前に、電気工事店等で点検・取替をしてもらいましょう。

3. 自分でできる電気がつかない時の対処

電気がつかない状況は、一刻も早く対処したいと誰もが考えます。
自分でできる対処もあるので、安全面に考慮して行なってください。

3-1. ブレーカーを復旧させる

ブレーカーは、分電盤にあります。ブレーカーのツマミ操作は電流が流れる配線などを直接触るわけではないので、安心して対処することができます。

また、ブレーカーが落ちる主な原因として、同時に大きな電気を使用していることが挙げられます。ブレーカーを復旧させる前に、家電製品の使用を減らしてください。一部分に集中することでも安全ブレーカーは落ちてしまうので、使用する時間や場所が分散できるとブレーカーが落ちることなく使用することができます。

3-2. 照明器具や電球を取り替える

照明器具を交換しても、電気がつかない場合には交換した照明器具と、接続部分を確認してください。
接続部分への差し込みが合っていなかったり、規格が違うために使用できないことがあります。

また、天井に取り付ける照明器具には、「直結」と「引掛」の2タイプがあります。

・直結タイプ・・・天井裏の電気配線と照明器具を直接接続する
・引掛タイプ・・・引掛シーリングに照明器具のプラグを差し込み回して接続する

一般的なシーリングライトなどは、引掛タイプであり、簡単に取替できます。
一方、ダウンライトや浴室等など、直結タイプの照明器具を交換するには電気工事が必要ととなるため、資格のない人が取り付けることはできません。
電気工事士など有資格者に取り付けを依頼してください。

キッチンで電力会社に相談する女性

4.電気がつかない時の対処

電気が漏電やショートを起こしていると、感電事故や火災など、人命に関わる危険があります。

そのため、電気がつかないという一見、単純な状況に思えても電気工事店等に点検や修理を依頼することが必要です。

4-1. 漏電や配線のトラブル

電気配線や電化製品の破損や故障、雨漏りによる水濡れなどにより、漏電してしまうことがあります。

漏電とは、電気配線やコードなど決まった回路を通る電気が、コードの破損等により外部へ漏れている状態をいいます。つまり、通常は触れることのない電気が、人体に触れる可能性があり、命を落とす危険性もあるということです。

以下のような状況の時には、漏電している場所の安全ブレーカーを下げて、電力会社や電気工事店等に連絡をしてください。

・電気がつかない
・漏電ブレーカーが落ちている

詳しい復旧方法は、こちらの記事からご確認ください。

ブレーカーが落ちる3つの原因と復旧と対策

4-2. ブレーカー・分電盤の交換

ブレーカーの交換推奨時期は13年~15年と言われており、長く使用することで、ブレーカーが誤作動することがあります。

長年使用したブレーカーが頻繁に落ちる時は、故障の疑いもありますので、分電盤やブレーカーの交換を考えてみましょう。
交換には資格が必要となりますので、電気工事店等に依頼してください。

5.停電時の注意点について

自然災害等による停電時は、通常とは違う注意するべき点があります。

5-1. 家電製品のコンセントを抜く、家を離れる際にはブレーカーを落とす

停電時には、アイロンや電気ストーブといった熱を出す器具は、電気が復旧した際に火災につながるおそれがありますので、コンセントから抜いておきましょう。
また、 自然災害等による停電時に自宅を離れる場合には、 電気の消し忘れによる事故を防ぐ ために、ブレーカーを落としておきましょう。
日頃から分電盤の位置を確認しておきましょう。

5-2. ろうそくを使う場合は火災に注意

停電時に灯りを確保するために、ろうそくを使用する場合があります。
電気以上に、ろうそくは火災が発生するリスクが高くなります。十分に注意していても、倒れて引火してしまったり、幼い子供が興味本位で触り火傷することも考えられます。

普段の生活で使い慣れない分、使用する際には周りの様子をみながら使用してください。

日頃から電池式ランタンや乾電池を準備しておくなど、万が一の停電に備えておきましょう。

揺れるろうそくの明かり

5-3. ストーブを使う場合は換気する

停電時に暖をとるために、石油ストーブを使用するケースがあります。

石油ストーブは、酸素が不足すると不完全燃焼を起こしてしまいます。
使用を続ける場合には、十分な酸素が必要です。

しかし、寒さをしのぐために部屋を締め切って石油ストーブを使用しがちです。換気をせずに使い続けると酸素不足による不完全燃焼が進み「一酸化炭素」が発生してしまいます。

一酸化炭素は、毒性が強く人体への影響が大きく命を落とす原因にもなります。無色・無臭のため、気づかないうちに蔓延してしまいます。

こうしたトラブルを防ぐためにも、寒くても定期的に窓やドアを開けて換気をしてください。

6. まとめ

電気がつかないのは、非常に不安な状況です。
すぐに対処できることなら、地域の電力会社や電気工事店等を頼ることで不安を解消することができます。

しかし、自然災害やトラブルにより突然起こる停電の際は、被害状況がすぐに把握できないだけに復旧するまでに時間がかかり、不安も長く続くこともあると思います。

いずれの状況でも、現状を把握してできることを行い、あとは落ち着いて復旧まで待ちましょう。
また、停電に備え電池式のランタンやカセットコンロなど、日頃から準備をしておきましょう。

なお、東京電力パワーグリッドではお客さまが電気でお困りのことや、みてもらいたいことなど、ご家庭の電気安全のご相談にお応えするコンサルトサービスを実施しています。

  • 電気設備の点検をしてほしい
  • 漏電していないか心配なのでみてほしい
  • プラグやコードの正しい使い方を教えてほしい
  • ブレーカーやコンセント・スイッチを取り替えてほしい

こんな時には、お客さまの屋内配線などを東京電力パワーグリッドが測定器を使って診断します。お気軽にご相談ください。
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