東京電力パワーグリット

いざという時に困らないように!さまざまな電気トラブルへの対処法

現代人にとって電気は日々の生活に欠かせないものです。
しかし、あまりにもありふれた存在であるために、多くの人はそれが使えるのが当たり前だと思っています。

そのため、なんらかのトラブルが発生して電気が使えなくなると慌ててしまいがちです。
何をしてよいのかもわからずに、パニックに陥ってしまうなどということにもなりかねません。

そこで、いざというときに困らないように、代表的な電気トラブルを取り上げつつ、それぞれの場合の対処法などについて解説していきます。

電気工事

1. まずは本当に停電なのかをチェック!停電が起きた場合の対処法

突然の停電、とても驚きますよね。
自分の家だけ電気がつかないのか、他の家はどうなんだろう、などとても気になりますが暗闇の中情報も入ってこないので不安になりますよね。

この章では、突然家の電気が消えてしまった時の原因についてお伝えしていきます。

1-1. 明りが急に消えても停電とは限らない

突然明かりが消え、部屋が真っ暗になれば多くの人は停電だと思いがちです。
しかし、まずは本当に停電なのかを確認する必要があります。

確認の方法は簡単で、最初に今いる部屋以外の電気も付かないことを確認し、それから周辺の家の明かりも消えているかをチェックするだけです。

ただ、夜遅い時間帯であれば、他の家はみんな電気を消して寝ているだけという可能性もあります。
その場合は、家の近くにある自動販売機などの明りが消えているかを確認しましょう。

1-2. 停電の際の注意点

停電が確定した場合はお住いの地域の電力会社に電話をかけて状況を確認します。(東京電力パワーグリッドの場合、LINEやチャットでも連絡できます)
次に、停電によって起きる可能性があるトラブルの対処を行っていきます。

たとえば、停電が長時間に及ぶケースでは冷蔵庫の中に傷みやすいものがあるかをチェックする必要があるといった具合です。
また、ドライヤーや暖房器具、ミキサーなどを使用中に停電した場合、急に復旧すると危険なのでコンセントを抜いておきましょう。

さらに、電化製品のタイマーは停電と同時にリセットされている可能性があるため、確認の必要があります。
ちなみに、停電の際には電気だけでなく、水道やガスも使用できなくなる場合も少なくありません。
他の家も含めて停電しているときは慌てずに電気の復旧を待ちましょう。

停電

2. ブレーカーが落ちる原因とその対処法

他の家や近所の自動販売機の明りはついているのに自分の家だけ明かりがつかない場合はブレーカーが落ちた可能性があります。
分電盤内の各ブレーカーを確認し、実際に落ちていないかを確認しましょう。

もし、落ちていたらそれが原因で電気が消えたことがはっきりするわけです。
ただし、ブレーカーにはアンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカーの3種類があり、どれが落ちたかによって復旧の手順は変わってきます。
1つずつ詳しく解説いたします。

2-1. アンペアブレーカーが落ちた場合の対処法

アンペアブレーカーには契約アンペア以上に電気を使い過ぎたときに電気の供給をストップする役割があります。
供給可能なアンペア数は電力会社との契約で決まっており、家庭の電力消費がそれを超過するとブレーカーが落ちる仕組みになっているのです。

ちなみに、アンペアブレーカーの外観は「30A」「40A」といったアンペア表示と緑、灰という具合に、アンペア数ごとに色分けしているのが特徴となっています。

アンペアブレーカーが落ちた場合は電気の使い過ぎが原因なので、冷蔵庫などの常時使用しているもの以外はすべて電気を切り、それからスイッチをONにすれば問題なく復旧するはずです。

※スマートメーターが取り付けられているご家庭の場合、スマートメーターに内蔵されているアンペアブレーカーの機能により契約アンペアを設定している場合があります。この場合アンペアブレーカーは取り付けられておりません。(使いすぎの場合は10秒後に自動復旧します)

ブレーカー

2-2. 安全ブレーカーが落ちた場合の対処法

同じ形のスイッチがたくさん並んでいるのが安全ブレーカー(配線用遮断器)です。
アンペアブレーカーと似た働きをしますが、電気を使い過ぎた際に家全体を停電状態にするアンペアブレーカーに対し、特定の回路のみ電源を遮断するという違いがあります。

安全ブレーカーが落ちた場合は電源の供給がストップした部屋で使用していた電化製品のスイッチをすべて切ってから、ブレーカーのスイッチを「入」にします。

また、家電製品が故障したり、電源コードが圧迫されてしまった場合などに電気回路が「ショート」が発生してしまうことがあり、この「ショート」が原因で安全ブレーカーが落ちてしまうこともあります。

2-3. 漏電ブレーカーが落ちた場合の対処法

漏電ブレーカー(漏電遮断器)は漏電事故を防ぐ役割を担っており、漏電が検出されると家全体の電気が使えなくなります。
漏電ブレーカーには「漏電ブレーカー」と表示されている他に、多くのものにはメインのスイッチ以外にテストボタンがついています。
このブレーカーが落ちた場合は漏電の箇所を特定することが大切です。

漏電ブレーカーの復旧のためにはすべてのブレーカーを一度「切」にします。
そのうえで、アンペアブレーカーと漏電ブレーカーのスイッチを入れ、続いて安全ブレーカーを一つずつ「入」にします。

そして、ブレーカーが落ちれば、直前にスイッチを入れた安全ブレーカーの回路が漏電している可能性が高いというわけです。

その場合は漏電している箇所の安全ブレーカーだけスイッチを切り、他のブレーカーはすべてスイッチを入れて復旧させます。

問題の箇所については早急な点検が必要になるため、すぐに電気工事店等に依頼するようにしましょう。

電気工事

2-4. アンペア数を上げる際の注意点

普通に使用していてもアンペアブレーカーやが頻繁に落ちるようであればアンペア数を上げることを検討したほうがよいかもしれません。

ただ、賃貸物件に住んでいる場合は事前に物件の管理会社か大家さんに連絡し、許可をもらう必要があります。
なぜなら、マンションなどの場合は全体での電気容量が決まっており、すでに上限に達している可能性があるからです。

許可が出れば、電気を契約をしている会社に連絡して契約数を上げたい旨を伝えることになります。

3. 漏電はなぜ発生するのか?考えられる原因とその対策

気がつかないうちに発生している「漏電」はとても怖いですよね。
漏電はどういう原因で起こるのか、その対策方法についても詳しくお伝えしていきます。

3-1. 漏電の原因

漏電を放置していると感電や火災の原因となり、非常に危険です。
そもそも、なぜ漏電が起きるかといえば、経年劣化や無理な使い方による絶縁体の劣化、ネズミなどがケーブルをかじることによって起きるケーブルの破損、雨漏りによる水ぬれ、沿岸地帯の潮風によってもたらされる塩害などが主な原因として挙げられます。

いずれにせよ、漏電が起きた場合は素人だけでの修理は危険です。
お住まいの地域の電力会社もしくは電気工事店等に連絡し、点検をしてもらいましょう。

電気工事の相談

3-2. 分電盤が焦げくさい場合は要注意

実際に漏電が起きていなくても、分電盤が焦げくさい場合は注意が必要です。
なぜなら、分電盤の配線などが緩んで接触が悪くなり発熱している可能性があるからです。

そうなると、停電や火災につながる可能性は非常に高くなります。
それを防ぐには定期的にブレーカーの点検を電気工事店等に依頼することが大切です。

3-3. 漏電の予防対策

漏電のリスクはちょっとした心掛けで減らすことができます。
たとえば、電気コードを折ったり、束ねたりした状態で使うと劣化が早くなるので、乱暴な使い方は避けるというのがその一つです。

また、電化製品を濡れた手で触ったり、湿気の多い場所で保管したりしないことも大切です。

4. 電球を交換しても電気がつかない場合の対処法

4-1. 基本的に自力での修理は困難

電球を新品に交換したのに電気がつかない場合はまず、ブレーカーが落ちてないかを確認しましょう。
ブレーカーに問題がなければ、「照明器具」「配線」「器具接続部」「スイッチ」などの故障や劣化が考えられます。

「照明器具」の場合は、引っ掛けシーリングと呼ばれる接続部分に照明器具を取り付けるだけですので、自力でも対応可能です。
「配線」「器具接続部」「スイッチ」の場合は、自力での修理は困難ですし、場合によっては感電するおそれもあり、危険です。そもそも屋内配線の修理を行うには第二種電気工事士の資格が必要であり、下手をすると法令違反にもなりかねません。

したがって、電球そのものやブレーカーが原因でない場合は電気工事店等に依頼するのが賢明です。

5. コンセントを増やしたい場合に必要な手順

5-1. コンセントを新しく増設する

コンセントのない場所に新しく設置する場合はまず、分電盤から配線を引くか、それとも既存の配線に接続してコンセントを増設するのかを決めます。
消費電力が1,000ワット以上の機器を使う場合には、同時使用により安全ブレーカーが 落ちてしまうことを防ぐためにも分電盤から専用配線を引くことをおすすめします。
ただし、工事費用はそれなりに高くなります。

既存の配線に接続してコンセントを増設する場合は、専用配線に比べると安価ですが、 元々使っている機器と新しく使用する機器を同時使用した時に安全ブレーカーが落ちて しまう可能性があります。

使用する機器の消費電力や、同時使用するかどうかによって検討されることをおすすめ します。

次に、壁の中に配線を引くか、壁の外に配線を通すかをきめなければなりません。
壁の中に引けば見た目はすっきりしますが、場所によっては工事自体が困難なところもあります。
このように、確認することが多数あるためまずは電気工事店に相談しましょう。

5-2. コンセントの差し込み口を増やす

もともとコンセントのある場所に差し込み口を増やしたい場合も電気工事店等に相談しましょう。

ただし、消費電力が大きなものを使用することを想定しているケースでは新規に配線を引かなければならない場合もあります。

3口コンセント

6. 電気のトラブルに対する対処法を身につけておこう!

配線、コンセント、ブレーカーなどといった電気関連の設備は時とともに劣化し、それにつれてトラブルを引き起こす可能性は高くなっていきます。
また、使い方や住宅環境などによっては設置からそれほど年月が過ぎていないのにもかかわらず故障をしてしまう可能性もあります。

したがって、いざというときに困らないよう、トラブル時の対処法を身につけておくことが大切です。

まずはこの記事などを参考にしつつ、必要な対策や日頃から注意すべき点などを把握しておきましょう。

なお、東京電力パワーグリッドではお客さまが電気でお困りのことや、みてもらいたいことなど、ご家庭の電気安全のご相談にお応えするコンサルトサービスを実施しています。

  • 電気設備の点検をしてほしい
  • 漏電していないか心配なのでみてほしい
  • プラグやコードの正しい使い方を教えてほしい
  • ブレーカーやコンセント・スイッチを取り替えてほしい

こんな時には、お客さまの屋内配線などを東京電力パワーグリッドが測定器を使って診断します。お気軽にご相談ください。
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