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エアコンの冷暖房がつかない時に確認してほしい3つのこと

部屋の温度を快適に保つ家電の1つに、エアコンがあります。
暑い時期、寒い時期に部屋を適温にするためには欠かせないものですが、まれにエアコンがつかないケースがあります。そして、多くの原因は自己診断ができます。

今回は、冷暖房がつかない原因を中心に、それぞれの対処方法を一緒にご紹介します。

エアコンをつける

1. 冷暖房がつかない原因

冷暖房がつかない時に、すぐにメーカー等の業者へ連絡しなくても、原因によっては、自分で対処できることがあります。
ここでは、起こりそうな原因を探ってみます。

1-1.設定の問題

最初に、リモコンや操作パネルでこちらの設定を確認していきます。

・冷暖房の切り替え
・風量
・風向き
・省エネモード

意外とやってしまいがちなのが、「夏:冷房・冬:暖房に設定されていない」ということです。シーズンで初めて使用する時には、気づかないことがあります。

風量は、エアコンから出る風量を設定しますから「弱い風量」で設定されている時は、部屋が適温になるまでに時間がかかります。風量設定を「自動」にすると、適温になるまでは強く、適温になれば弱い風に自動制御しますので、風量は「自動」がおすすめです。

風向きは、エアコンから出る風向きを設定します。
例えば、冷房で使用している時に「直接、風が当たらないように」と風向きを上にする方もいらっしゃいます。

実は、この「上向きの風」は、冷房では問題ありませんが、暖房では部屋の天井のあたりを暖かくするだけで、効率良く部屋を暖めることができません。
暖かい空気は上昇するため、暖房に最適な風向きは「下向きの風」、冷房に最適な風向きは「水平」または「上向き」とされています。

1-2.エラー表示

エラー表示は、本体・リモコン・操作パネルで確認することができます。(表示方法は各メーカーごとに違いがあります)

本体の場合には、エアコンの運転ランプが点滅することが多いです。これは本体の異常を示している場合があります。(メーカーによっては暖房始動時の予熱運転や霜取り運転時に運転ランプが点滅することがあります。)
リモコンや操作パネルには、エラーコードが表示される場合が多いです。
エラーコードは、数字やアルファベットで表示されます。

何らかのエラーが出ている場合、エアコンの取扱説明書やメーカーホームページで確認することができますので、冷暖房がつかない原因と対処方法が分かります。

1-3.リモコンの確認

リモコン本体のトラブルによって、エアコンがつかないことがあります。
一番多く考えられるトラブルは、電池です。
どのボタンを押しても動かない原因は、電池切れの可能性が高いです。

電池交換をしても動かない時には、ボタンの接触不良や故障も考えられます。
ボタンを押しても動かない、誤作動するという症状が当てはまります。
この場合には、交換や修理が必要なので、購入先やメーカーへ連絡をしてください。

1-4.フィルターの汚れ

エアコンを使用すれば、フィルターにホコリが溜まって汚れていきます。
特に、設定に合った風量が出てこない時には、フィルターの汚れが原因として考えられます。

フィルターは、省エネのためにも2週間に1回程度は外して掃除機等で掃除することをおすすめします。ひどい汚れで水洗いをした場合は、よく乾燥させてからエアコンにセットしましょう。
自動フィルターお掃除機能付きのエアコンの場合は、フィルターの掃除はしてくれるものの、ホコリをダストボックスにためるタイプもありますので、取扱説明書に従って、定期的なお掃除をおすすめします。
フィルター自体は、掃除により綺麗になりますが、ニオイがする場合は、内部にカビが生えている可能性があります。内部の汚れをとりたい方は、ハウスクリーニング業者等に依頼されることをおすすめします。

1-5.室外機が動いてない

室外機は外気と熱交換する装置ですので、室外機に不具合が起きている場合も冷暖房がつかない原因となることがあります。

・室外機の周辺に障害物がある

室外機の周辺は、十分なスペースを確保する必要があります。

実は、冷暖房の設定温度に達しているかを室外機の吸い込み口で判断する機種が多いのです。
例えば、ブロック壁や植物など障害物あると、冷房時に室外機から吹き出した暖かい風が、循環せずに戻ってきてしまうので室外機は暖かい風を吸い込むことになります。

この状況をショートサイクルと言い、冷暖房が効きづらくなる原因となります。

・室外機の吸気口や排気口が詰まっている

元々、室外機は雨風に耐えられるような構造になっているので、定期的な清掃は必要ありません。
しかし、実際にはホコリや落ち葉などが詰まったり、フィルターが汚れていたりします。
手で取れるホコリや落ち葉は、取り除いてください。

※稼働中の室外機に触れることは、思わぬ事故を招く可能性があります。必ずコンセントを抜いてから掃除してください。

1-6.ブレーカーが落ちている

電気の使いすぎや、漏電でブレーカーが落ちているかもしれません。
分電盤で、どのブレーカーが落ちているのかを確認して対処してください。

エアコンの始動時は、部屋を急速に適温にするために消費電力が大きくなります。複数台エアコンがある場合には、他のエアコンをつけてから15分くらい経過してからつけるようにすると、使いすぎによりブレーカーが落ちる可能性が減ります。

1-7.広すぎる部屋で使っている 

エアコンは、部屋の大きさに合わせて規格を選ぶ必要があります。
畳数目安があり、部屋の大きさに合わないエアコンを使用していると、冷暖房がききにくくなります。

また、建物の構造によっても畳数目安が異なりますので、設計や購入時に相談しながら決めてください。

1-8.外気温度が低すぎる

部屋を暖めるためにエアコンをつけるのですが、外気温度が低すぎて暖房がつかない、部屋が温まらないということがあります。
では、どれくらいの寒さで、暖房はつかないのでしょうか?

目安としては、外気温度が2度以下になると、設定温度に達するまでに時間がかかります。
この時には、他の暖房器具を併用するなどして、寒さをしのぎましょう。

また、室外機の予熱運転や霜取り運転をするために、室内機から暖かい風が出ないことがあります。
こちらは、終わるまで待っていただく必要があります。

雪の中の家

1-9.ガス漏れ

エアコンの本体(室内機)と室外機の中には、「冷媒」と呼ばれるガスが回っています。
これにより、熱を移動させ、エアコンが冷暖房としての役目が果たせます。

しかし、配管の腐食や、経年劣化、施工不良などによって、冷媒が漏れ出すことがあります。
この場合は購入先やメーカーへ依頼して、冷媒が漏れた原因を見つけ対処したのち、再充填することでエアコンを使うことができます。

1-10.配管の破損

配管が破損していると、冷媒ガスが漏れる原因となります。

古くなった配管(一度使用した配管)は、硬化しているため折れてしまうことがあります。
一度折れてしまった配管は、冷媒の漏れる原因にもなりますし、冷暖房としての機能も低下させます。

暖房をつける

2. エアコンの修理・交換が必要なケース

様々な原因で、エアコンがつかないことが分かりました。
そんな中でも、自分でも対処しない方が良いケースがあります。

2-1.どれだけ待っても動かない

エアコンは暖房運転時に予熱運転や霜取り運転時に数分間は稼働しないことがあります。これは、準備段階のため仕方ありません。

しかし、10分、15分待っても、もしくはそれ以上待ってもエアコンが動かない時は、エアコン本体の故障が考えられます。

この場合は、購入先やメーカーへ連絡し、点検をしてもらってください。

エアコンの動作確認

2-2.エアコンがついても切れる

電源は入るけど、すぐに切れてしまうというケースがあります。
この場合は、エアコン本体の内部にある「制御装置」の故障が考えられます。

フィルターを外す以外の内部作業は、自分ではとても難しいので購入先やメーカーへ連絡し、点検をしてもらいましょう。

2-3.エアコンの寿命

上記のような症状の時や、何をしてもエアコンが動かない時は経年劣化や、エアコンの寿命がきたということも考えられます。

10~15年以上の長い期間使い続けている場合は、不具合を機に新しい機器への買い換えもあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
エアコンの省エネ性能や冷暖房能力は年々向上していますので、リビングなど使用頻度が高い場所のエアコンは経年してる場合、買い換えることで快適な生活につながることが考えられます。

3.エアコンを交換するメリット

エアコンの交換は大きな出費ですが、新しいエアコンにすることでメリットがあります。

3-1.よく効く

冷暖房の効きが良くなります。
エアコン本体はもちろん、フィルターも室外機も新品ですから快適な温度を維持することができます。
また、各メーカーの努力によって、魅力的な機能が多く搭載されていて、年々省エネ性能が高められています。

ストレスフリーで冷暖房が使えるのは嬉しいですね。

3-2.節約になる

新しいエアコンにすると、性能が良くなり電気代が高くなるイメージですが、実は逆で、節約になることが多いです。

近年のエアコンはセンサーにより人がいる場所をピンポイントで冷暖房するなど、経済的かつ効果的に冷暖房効果を感じられる機能がどんどん搭載されています。

このため、従来の部屋全体を暖めるまでフル稼働するエアコンや、一定の出力で稼働し続けるエアコンと比較すると、長時間使用した際の電気使用量に差がでることが多いのです。

新しいエアコンの導入により、快適な生活だけでなく節約にもつながります。

エアコンの取り付け

4. まとめ

夏冬に冷暖房がつかないというのは、とても不便を感じますし、肉体的にも厳しいものがあります。
できることならば、暑さ寒さが本格化する前に試運転をしておけば、万が一、故障していても、事前に修理や買い換えをすることができます。
(例:冷房の場合、最低温度に設定し、10分程度運転し冷房が出ているか、エラー表示はないかを確認。さらに30分程度運転し、室内機からの水漏れや異音異臭がないかといった確認を推奨しているメーカーもあります。)

今後、エアコン運転時に不具合があれば、今回のコラムを参考にしていただけますと幸いです。