コンセントが焦げる6つの原因
コンセントを正しく使うことは、電気を安全に使用するための基本です。
正しい使い方ができていない場合、コンセントが焦げることは意外と多く、発火して火災につながるなど危険なトラブルの原因になります。
ご家庭のコンセントは正しい使い方ができていますか?
今回は、コンセントが焦げる原因について事例を交えてご紹介します。
1. コンセントが焦げる原因
電化製品の多くは、プラグをコンセントに挿して使用します。
しかし、稀にプラグを挿そうとしたら火花が散ることがあります。
焦げ臭いと思ったらすでにコンセント部分が焦げている、ということもあります。
そのような状態になったら、感電や火災の可能性もあるので非常に危険な状態です。
万が一の時でも冷静に判断ができるように、コンセントが焦げる原因について理解しておきましょう。
1-1.電源ONの状態で挿した
電化製品の電源がONの状態でコンセントにプラグを挿し込んではいないでしょうか?
先に電源ONの状態にしておくと、コンセントに挿した瞬間に大きな電流が流れます。
一気に電流が流れることで、火花が出ることもあるので大変危険です。
必ず電源OFFの状態でコンセントに差し込みましょう。
1-2.ホコリや異物が入った
コンセントとプラグの間に、ホコリや異物が入り、これに湿気が加わることで、燃えやすい状況となり発火することがあります。
これを、トラッキング現象といいます。
ホコリは、空気中の湿気を吸収することで通電経路ができ、放電により発火する可能性があります。
トラッキング現象で発火するとコンセントが焦げてしまうだけでなく、火災につながる危険性もありますので注意が必要です。
また、ホコリ以外にも、髪の毛やホッチキスの針など電気を通し、かつ燃えやすい性質のものが入り込むことで、発火しやすい状況を作り出してしまう場合があります。
定期的にコンセントからプラグを外し、乾いた布で掃除しましょう。
1-3.きちんと挿さっていない
電化製品の取扱説明書にもあるように、コンセントにプラグを奥までしっかり挿す必要があります。
挿し方によってもコンセントが焦げる原因となる場合があります。
・コンセントとプラグの間に緩みがある
コンセントとプラグの間に緩みがあったり、しっかり挿さっていなかったりするとホコリがたまりやすい環境を作ってしまいます。
また、コンセントとプラグが接触不良の状態で消費電力の大きい製品を使うと、接触が悪い部分が発熱し、過熱しやすい状態となります。
そのため、挿した時には問題なくとも後日、その部分から発火して焦げてしまうことがあります。
プラグはしっかり奥まで差し込んで使いましょう。
1-4.タコ足配線をしている
コンセントの挿し込み口を増やすために、電源タップを使う方も多いはずです。
とても便利ですが、電源タップによるタコ足配線はトラブルの原因となることがあります。
コンセントには、同時に使用できるワット数(W)が定められています。
しかし、タコ足配線で挿し込み口を増やすと、使い方によっては、ワット数の上限を超えて電気を使用してしまい、コンセントが発熱・発火してしまう原因になります。電気ケトルや電子レンジ、炊飯器などは消費電力が大きいため、キッチンなどでたくさんの家電製品をつないでるというご家庭では注意が必要です。
電気ケトルや電子レンジ等の消費電力が大きい家電製品は、たこ足配線せず、コンセントに直接差し込んでご利用されることをおすすめします。
1-5.経年劣化している
コンセントの差込口に亀裂が入ることで、接触不良を起こすことがあります。
火花が出るだけでなく、漏電や感電のおそれもあるため、電気工事店等へ依頼し、早めに交換してください。
※電気工事には資格が必要です。自分の判断で工事せず、電気工事店等へ相談しましょう。
1-6.電源コードが破損している
破損しているコードには、通電する部分が露出してしまい、感電、漏電やショートを起こしてしまう危険があります。
漏電やショートが原因で火災につながる危険性があるので大変危険です。
また、コードも経年劣化しますので、発火したりプラグが焦げてしまったりする前に交換しておきましょう。
2. 事例紹介
電気火災の3大原因をご存知でしょうか?
1位:電気ストーブ
2位:電気こんろ
3位:電気コード
出典 : 電気火災って知っていますか?
コンセントや電気コードの火災発生率もとても高いです。
実際に起きた火災事例をご紹介します。
2-1.トラッキング現象による火災
トイレではコンセントに飛び散った尿などの水分がかかりやすく、湿気が多くなるのでトラッキング現象が起こりやすい状況になります。
最近のトイレには「温水洗浄便座」を使用するためにコンセントが用意されています。
常にコンセントにはプラグを挿したままなのでホコリが溜まり、水分によりトラッキング現象が発生しコンセント部分から発火し、壁とプラグが燃えてしまった例があります。
実際の事例は以下のリンクからご覧ください。
出典 : いわき市役所HP
また、冷蔵庫やテレビ、洗濯機など、長期間差し込んだまま使っているプラグは、トラッキング火災を防止するためにも、ときどき乾燥した布などで掃除をしましょう。 コンセントとプラグの間にチリやホコリがたまり、そこに湿気が加わるとトラッキング火災の原因になることがあります。
出典 : 独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター
2-2.過剰な電気の使用による火災
コンセントの挿し込み口の不足が理由で、電源タップを挿しているケースがあります。
便利ですが、挿し込み口が増えるほど使用できる電化製品が増え、電源タップの上限ワット数を超えてしまい発熱する原因となります。
最悪の場合、発火し付近の可燃物に引火し火災の原因になることもあります。
3. コンセントが焦げていたらやるべきこと
コンセントが焦げていることに気づいたら、そのまま放置しておかずに早急に対処してください。
まずは、安全を確保するためにブレーカーを落としてください。
この場合は、部分的に電気の流れを止められる「安全ブレーカー」(配線用遮断器)と落とすとよいでしょう。
コンセントが焦げている部分の安全ブレーカーを落とせば、他の場所で電気を使用しても問題はありません。
4. コンセントが焦げていると思ったら
安全ブレーカーを落としたら、電気工事店などに連絡してください。
コンセントの交換や配線の張り替えなどは、電気工事士店など有資格者のみができる作業です。
また、通常の状態より危険な状態が予想されるので、有資格者が作業に来てくれるまで、家族(無資格者)が触れることがないように、細心の注意を払いましょう。
また、一度焦げてしまったコンセントは、漏電や接触不良の原因となるので利用は中止し、新しいものと交換してもらってください。
5.まとめ
コンセントが焦げてしまう原因をご紹介しました。
壁などよく見える場所にあるコンセントなら気づきやすいので、早急に対処することができます。
しかし、冷蔵庫の裏など見えにくい場所にあるコンセントでは、たとえ焦げていたとしても分かりにくく、焦げ臭いと思い確認したらすでに真っ黒だったという事例もあります。
こうした状況を未然に防ぐため、トラッキング火災防止のためにも、ときどき乾燥した布などでコンセントの掃除をして点検をしてください。
そして、万が一の時には、不用意にふれず、安全ブレーカーを落とし、すぐに交換してもらうことが最良の対処方法だということを、忘れないでください。
なお、東京電力パワーグリッドではお客さまが電気でお困りのことや、みてもらいたいことなど、ご家庭の電気安全のご相談にお応えするコンサルトサービスを実施しています。
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