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「洗濯乾燥機、衣類乾燥機、浴室暖房乾燥機」の特徴と違いについて解説!雨の日の強い味方を紹介します!

いよいよ梅雨も明けて夏本番ですね。
曇りの日は涼しく感じることもありますが、湿度が高いため少し身体を動かすと暑く感じます。
気温が高く、汗をかくこの時期は洗濯物も多くなります。今年は平年よりも梅雨が長引きましたが、洗濯物が乾きづらいことが悩みの種だったのではないでしょうか。
そんな雨の日の悩みを解消してくれる乾燥機について解説いたします。

1.洗濯物が乾くためには

はじめに洗濯物が乾くための条件について確認していきましょう。

洗濯物が乾くためには、空気の温度が高いこと、湿度が低いことが主な条件です。
更に早く乾かすためには、風通しが良いこと、生地の表面積が広いことが挙げられます。
地域によって差がありますが、梅雨の時期は日や時間帯によって外気温の差が約5~10℃、湿度が約70%前後、時には90%前後となり、実際に25℃前後で湿度80%前後では乾きづらさを実感します。
また、繊維の材質や織り方の違いにより脱水後に洗濯物に含まれる水分量が異なるため乾くまでの時間に差があります。

2.天日干しと乾燥機の比較

乾燥機と屋外での天日干し(自然乾燥)、それぞれの主なメリットは以下のとおりです。

乾燥機のメリット

  • 天候の影響を受けない
  • 家事の時間短縮になる
  • 洗濯物が乾燥する時間を予測できる
  • 洗濯物が人の目に触れない(防犯)
  • 煙や排気ガス等の影響がない
  • 花粉、鳥の糞、虫が付かない
  • しっかり乾燥させて生乾きの嫌な臭いを防止
  • 紫外線による生地の変色、劣化防止 など

天日干しのメリット

  • 天気の良い日に洗濯物を干すと気分転換になる
  • 太陽の光を受けてカラっと乾いた洗濯物を取り入れるときは気持ちが良い
  • 機器を使わないため、乾燥中の運転音がならない
  • 衣類の乾燥に電気代やガス代といった光熱費がかからない など

天日干しの良さもありますが、雨の日や夜洗濯して翌朝までに乾燥させたい時でも乾かすことができるといった乾燥機ならではの便利さがあります。
これだけのメリットがある乾燥機はあなたの期待に応え、生活を快適にしてくれることでしょう。

次の章からは、洗濯乾燥機、衣類乾燥機、浴室乾燥機の違いと特徴についてお伝えします。

3.洗濯乾燥機

洗濯乾燥機の種類は大きく分けて、縦型とドラム式があります。
縦型は衣類が遠心力により、終始洗濯槽に押し当てられるためシワが残りやすいのに対し、ドラム式はシワが残りにくいことが特徴です。
ドラム式は横方向にドラムが回転することにより重力に従って衣類をドラム内で繰り返し落下させ、乾燥するに従って洗濯物が広がり温風がムラなく包み込み、短時間でふんわりと仕上がります。

乾燥機能をよく使い、洗濯から乾燥まで一度に済ませたいという方は、ドラム式がおすすめです。

洗濯乾燥機は、どちらも洗濯容量よりも乾燥容量の方が少ないので、洗濯から乾燥まで一度に済ませたい場合は、洗濯物の入れすぎにご注意ください。

乾燥方法の違いとして、縦型は風乾燥やヒーター式、ドラム式はヒーター式とヒートポンプ式がありますので、それぞれ解説いたします。

ドラム式洗濯乾燥機
ドラム式洗濯乾燥機の例

3-1.縦型洗濯機の風乾燥機能

縦型洗濯機の「風乾燥」や「送風乾燥」と呼ばれる乾燥機能は、多くの水分を飛ばすために脱水を長くかけているという感覚に近いものです。
脱水の遠心力により、衣類に含まれる水分を飛ばして、雨の日の部屋干しでも干す時間を短縮させることができます。
化学繊維系の衣類であれば、多くの水分を飛ばすことができますが、ウールやニットなどのおしゃれ着や綿100%のシャツなどはシワの原因になりますので、風乾燥をする前に取り出しておくことをおすすめします。
ヒーター式やヒートポンプ式と違って温風で暖めるわけではありませんので、ランニングコストは安いですが、脱水後の洗濯物を完全に乾燥させることはできません。
そのため、洗濯乾燥機とは呼ばず、洗濯機の1機能という位置付けですので、ご注意ください。

洗濯機の風乾燥機能
洗濯機の風乾燥の例

3-2.ヒーター式(水冷除湿タイプ) 洗濯乾燥機

ヘアドライヤーのようにヒーターとファンを組み合わせて温風を発生させ、乾燥させるのがヒーター式です。ヒートポンプ式より高温のため、大型のシーツや厚手のバスタオルなども短時間でカラッと乾燥させることができます。
ランニングコストはヒートポンプ式より高くなります。
乾燥中、機内の湿気を多く含んだ高温の空気を水温で結露させ排水することで除湿するタイプを、水冷除湿タイプと呼びます。
洗濯やすすぎに続き、乾燥時にも水道水を使います。
これにより、洗濯物の湿気を排気することが無く、洗濯乾燥機を設置した部屋の湿度が上がらないというメリットがあります。

縦型洗濯乾燥機の例

3-3.ヒーター式(排気タイプ)洗濯乾燥機

このタイプは、乾燥中、機内の湿気を多く含んだ高温の空気をそのまま機外へ排気します。
そのため、温度・湿度が上がらないよう窓を開けたり換気扇で部屋の空気を入れ換えることができる部屋に設置することをお勧めします。
乾燥時には水を使いませんので、水冷除湿タイプと比べて水道代が抑えられます。

縦型洗濯乾燥機
縦型洗濯乾燥機の例

3-4.ヒートポンプ式洗濯乾燥機

ヒートポンプ式は空気中の熱を利用して効率よく温風を発生する仕組みです。ヒートポンプを利用している代表的な機器としてエアコン、冷蔵庫およびエコキュートがあります。
ヒートポンプと言ってもエアコンやエコキュートのように室外機がある訳ではありません。本体の中にヒートポンプが内蔵されていますので、ご安心ください。
このタイプは、機内で空気を循環させ、湿気を含んだ空気が冷却部を通過する際に、結露させて排出することで除湿を行い、その後、加熱部を通過させます。
加熱した空気は約60℃以下と低めのため、衣類が傷みにくいといったメリットがあります。
ヒートポンプは空気中の熱を利用しており電気で直接熱を発生させるヒーター式と比較して省エネで、電気使用量も少なくて済みます。
衣類の傷みづらさや、ランニングコストの安さを重視される方には、ヒートポンプ式洗濯乾燥機がおすすめです。

4.衣類乾燥機

衣類を乾燥させる専用の機器として、衣類乾燥機があります。
衣類乾燥機は、洗濯物が多く複数回洗濯を行う際、洗濯と同時に乾燥を行うことができるというメリットがあります。
洗濯物が多いご家庭には、衣類乾燥機がおすすめです。

衣類乾燥機は、洗濯機とは別に設置スペースが必要となりますが、大抵は洗濯機の上の部分に設置しますので、それほどスペースを気にすることはありません。
ただし、設置場所によって、洗濯機の上の部分にスペースがない場合には、メーカーが指定する床置き用の台を設置すれば、他の場所に設置することも可能です。
また、洗濯機と乾燥機を同時に使用するためにはそれぞれコンセントが必要です。

衣類乾燥機には電気ヒーター式とガス式がありますので、それぞれ解説いたします。

衣類乾燥機
電気ヒーター式衣類乾燥機の例

4-1.電気ヒーター式衣類乾燥機

電気ヒーター式衣類乾燥機のメリットとしては、設置場所とコンセントがあれば、手軽に設置できることです。
このタイプは、前述3-3で記載した排気タイプのみ販売されています。
乾燥中、機内の湿気を多く含んだ高温の空気をそのまま機外へ排気するため、温度・湿度が上がらないよう窓を開けたり、換気扇で部屋の空気を入れ換えることができる部屋に設置することをお勧めします。
消費電力は1,200~1,400ワットほどありますので、他の家電製品と同時に使用することで使いすぎによりブレーカーが切れないようご注意ください。

4-2.ガス衣類乾燥機

ガス衣類乾燥機は電気式と比べ乾燥時間が短く、強い温風でタオルがふっくらと仕上がるメリットがあります。
注意点としては、設置場所にガス栓がなければガス配管工事をする必要があります。
また、ガスを燃焼させますので、屋内に置く場合、壁に穴を開けて、アルミやステンレスでできた「排湿筒」を屋外へ通すダクト工事が必要になります。
湿気や二酸化炭素は、排湿筒を通って屋外に排気されますので、湿気が屋内にこもることはありません。
乾燥スピードを重視される方は、ガス衣類乾燥機がおすすめです。

5.浴室換気乾燥機

浴室換気乾燥機は、電気ヒーター式とヒートポンプ式、ガス温水式がありあます。
文字通り、浴室内に洗濯物を干し乾燥させるための機器で、近年の新築戸建て住宅には、ほぼ標準的に設置されています。
メリットとしては、ハンガーにかけて干せるため、衣類乾燥機と比べ洗濯物のシワや傷みを抑えられ、部屋干しよりも乾燥時間が短いため、生乾きのいやなニオイを抑えられます。
なお、生乾きのいやなニオイの原因は、 日常の生活空間にどこにでもいる常在菌の一種であるモクラセラ菌の排泄物と言われており、衣類に残ったタンパク質や皮脂などと水分により菌が増殖しますので、洗濯物を早く乾かすことが重要です。
少しでも洗濯物を早く乾かすコツとして、角ハンガーを使用する際には、両側に長いもの、内側に短いものを干す「アーチ干し」※をすることをおすすめします。

※出典:ライオン株式会社『部屋干しをスピード乾燥!角ハンガーを使った「アーチ干し」のすすめ』

5-1.電気ヒーター式浴室換気乾燥機

電気ヒーター式衣類乾燥機は、「暖房」運転と同時に、換気機能で排気し浴室内の空気を入れ換えます。
入浴後、早く確実に浴室を乾燥させるためだけではなく洗濯物を乾燥させるためにも利用します。
前述したとおり洗濯物が乾くための条件として空気の温度が高い、湿度が低いおよび風通しが良いという全ての条件を満たしてくれます。

浴室換気乾燥機
電気ヒーター式浴室換気乾燥機の例

電気ヒーター式浴室換気乾燥機には、上の写真のような中にヒーターを内蔵して温風を吹き出すタイプの他、グラファイトヒーターを組み合わせたタイプがあります。
グラファイトヒーターは、遠赤外線による輻射熱で直接身体や衣類を暖めますので、暖かさを感じる体感速度がとても早い特長があります。
100Vタイプと200Vタイプがあり、200Vタイプだとさらに乾燥時間を短くできます。

5-2.ヒートポンプ式浴室換気乾燥機(バスコンディショナー)

ヒートポンプ式は、 トイレや洗面所などから24時間換気のために吸気した空気の熱をヒートポンプで回収し、その熱を利用して浴室の暖房をおこなうシステムです。 ヒートポンプと言っても屋外に室外機を設置する訳ではありません。
空気中の熱を使うため、効率がよく電気ヒーター式と比べ、乾燥にかかる電気使用量を大幅に抑えることができます。
また、衣類乾燥の際には、 湿気のある空気をヒートポンプで結露させ除湿した後、再度暖める再熱除湿により、換気せずに浴室空間内の湿度を低減することができるため、乾燥時間も短く済みます。
ヒートショック防止のために毎晩予備暖房をする方など、浴室暖房を含めてランニングコストを抑えたい方におすすめです。

5-3.ガス温水式浴室換気乾燥機

屋外にガスの熱源機を設置して、配管にお湯を循環させて、その熱で温風を出す方式です。
新たに設置するためには、電源の他、設置場所付近の屋外にガス 栓がなければ、ガス配管工事が必要となります。

6.まとめ

1人暮らし、結婚、育児、部活やスポーツ、就職、転勤、在宅勤務、夜間勤務など思いつくままにキーワードを並べてみただけでもライフスタイルは時々において変化することと思います。
また、住まいを取り巻く環境の変化も含めると、洗濯物を乾燥させるためのニーズも移り変わると思います。

例えば、以下のようにニーズによっておすすめの乾燥機が変わってきます。

  • ランニングコスト重視で洗濯から乾燥まで一度に済ませたい・・・ヒートポンプ式洗濯乾燥機
  • 乾燥速度重視で大量の洗濯物を乾かしたい・・・ガス衣類乾燥機
  • 乾燥機には入れたくないけど、部屋干しはイヤ・・・浴室換気乾燥機(その中でもランニングコスト重視ならヒートポンプ式、輻射熱で身体を温めたいならグラファイトヒーター付きのもの)

ライフスタイルやニーズの変化に応じて、自分にあった乾燥機を選ぶ際にこの記事が少しでもお役に立てば幸いです。