待機電力も節約できるの?待機電力の電気代は?塵も積もれば山となる待機電力の節約方法
新型コロナウィルスの影響で家にいることが多くなり、電気代が増えていませんか?
微々たる節約術かもしれませんが、塵も積もれば・・・ということわざがあるように、
今回は待機電力の節約方法についてご紹介します。
1.待機電力とは
待機電力とは、コンセントに接続された家電製品が、使っていなくても微少な電力が消費されている状態のことです。
例えば「リモコンで家電製品の電源をオフにした状態でもコンセントにつながっているだけで消費される電力」といえば、イメージがつきやすいでしょうか。
いつでも操作ができるよう家電製品がスタンバイ(待機)しているため、待機電力と呼ばれていますが、正式名称は「待機時消費電力」といいます。
1-1.待機電力って何のためにあるの?
家電製品の多くは、その製品を使う人が便利で快適な生活を送るために、表示機能やタイマー機能、リモコン機能などを備えており、待機時にこれらの機能を維持するために電力を消費しています。
1-2.待機電力にはどんなものがあるの?
待機電力には一般的に次のようなものがあります。
- 家電製品の本体がリモコンからの操作信号を受信するために消費する電力。
- 家電製品のスイッチをオフにしていても表示部やタイマー機能が消費する電力。
- 電話機やファクシミリの受信をするために消費する電力。
- 充電器の充電中以外で消費する電力。
2.待機電力の電気代
2-1.待機電力の電気代って年間どのくらい?
例えば、待機電力が1Wの家電製品を1年間コンセントに差したままにした場合、待機電力による消費電力量は8.76kWh/年となり、電気代にすると年間約237円(1kWh=27円換算※)となります。
※出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会『「電力料金の目安単価」の改定に関する件』(平成26年4月28日)
個々の待機電力は小さいですが、家庭内に待機電力を消費する家電製品が多ければ多いほど、全体ではかなりの消費電力量になります。
上記の計算では、「電力料金の目安単価」を使用して計算しましたが、1kWhあたりの電気料金は契約している電力会社(小売電気事業者)や料金プラン等によっても異なります。
具体的な電気料金単価については、契約している電力会社(小売電気事業者)のホームページ等でご確認ください。
2-2.家庭の電気代のうちどのくらいを占めているの?
資源エネルギー庁の報告によると、1世帯あたりの年間待機電力の消費電力量は、228kWh/年と推計されており、1世帯あたりの年間消費電力量4,432kWh/年のうち、約5.1%を占める※と言われています。
上述の電力料金の目安単価を用いて電気代に換算すると、228kWh×27円=6,156円となります。
意外に多いと思いませんか?この待機電力を減らすことができれば、少しは家計が助かるのではないでしょうか。
※出典:資源エネルギー庁省エネルギー対策課『平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要』
2-3.待機電力量が多い家電製品って何?
資源エネルギー庁の報告によると、家庭の待機電力量が大きい家電製品は以下のとおりです。※家庭の全待機電力量を100%とした場合の全体に占める比率。
第1位.ガス温水器(19%)
第2位.テレビ(10%)
第3位.冷暖房兼用エアコン(8%)
第3位.電話機(8%)
第5位.BD・HDD・DVDレコーダー(6%)
出典:資源エネルギー庁省エネルギー対策課『平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要』
テレビやDVDレコーダー等の映像音響機器も省エネが進んでいますが、時計表示や録画機能、番組表の更新機能などがあり、一定の待機電力が消費されています。
また、電話機やネットワーク機器のように、常に電源を接続していないと機器自体の機能を果たさなくなるものもありますので、待機電力を節約する場合は常に電源を入れておく必要がないものに限って対応することが必要です。
3.待機電力の節約方法
待機電力の節約方法についてご紹介します。
3-1-1.主電源を切る方法
リモコンで操作する家電製品は主電源を切る、主電源が切れない機器は節電モードや省電力モードを活用することで待機電力を抑えることができます。
3-1-2.コンセントから抜く方法
当然のことですが、家電製品をコンセントから抜いてしまえば、待機電力はなくなります。
頻繁に使用しない家電製品はコンセントから抜きましょう。
例えば、エアコンは春や秋といったシーズンオフにコンセントから抜いておくことで節電になります。
ただし、コンセントから抜いておいたエアコンを再使用する際には、コンセントにプラグを差し込んですぐに運転するとコンプレッサーを傷めるおそれがありますので、4~8時間ほど待ってから使用することをおすすめします。
3-1-3.電源タップを活用する方法
電源スイッチつきのタップを使うと、コンセントからプラグを抜く必要がありません。この方法であれば、コンセントの抜き差しの手間が省けますので、簡単に待機電力の消費を抑えることができます。
また、家電製品が集まっている場所では、目的の家電製品だけ切ることができますので非常に便利です。
ただし、使用中の家電製品は、電源をいきなり切ってしまうと故障の原因になるおそれがありますので、電源タップには何の家電製品がつながっているのか一目でわかるように、家電製品の名前をつけておくことをおすすめします。
3-2.節約による効果
家庭の全待機電力の消費電力量を100%とした場合、省エネルギーセンターの調査によると、使っているときだけ主電源スイッチをオンにし、使わないときは主電源スイッチをオフにすると待機電力を約19%削減できると言われています。
また、使っていないときに家電製品のプラグをコンセントから抜く、あるいは電源タップを利用して電源を切ることで待機電力を約49%削減できると言われています。
4.待機電力の節約による注意点
ここまでは、待機電力の節約についてご紹介してきましたが、待機電力の節約による注意点について、お伝えします。
4-1.生活が不便になる?
待機電力はムダな電力として扱われることが多いですが、家電製品をすぐに使えるようスタンバイ状態とするために使用されている電力ですので、待機電力を節約することで、生活の利便性が損なわれる場合もありますので注意が必要です。
例えば、時計やタイマーなどの設定されている家電製品では、電源を抜くことで設定がリセットされてしまい、電源を入れるたびに再設定が必要となってしまいます。
また、テレビやブルーレイディスク・HDD・DVDレコーダーなどの映像機器は主電源をオフにしたりプラグを抜いたりすると、いざ使うときに立ち上がりまでに時間がかかったり、予約録画ができない、電子番組表が受信できないといった不便な状態になります。
4-2.待機電力が発生しない家電製品もある?
最近の家電製品は省エネ化が進み、使用時の消費電力だけでなく、待機電力もかなり抑えられています。ムダなプラグの抜き差しを繰り返さないよう、事前に待機電力の有無や待機時の消費電力を調べておくことをおすすめします。
待機時の消費電力は、家電製品の取扱説明書の仕様欄に記載されている場合が多いので一度確認してみましょう。
5.まとめ
待機電力の節約効果は小さいですが、コツコツと積み上げることで節約金額が大きくなります。
- 長期間使わない、使っていない家電製品はコンセントからプラグを抜いておきましょう。
- 常に電源を入れておく必要がない家電製品は電源タップを有効活用しましょう。
ただし、待機電力を節約することによって、快適な生活が損なわれるおそれもありますので、自分にとって何が必要かをよく考えて、待機電力を削減しましょう。
なお、東京電力パワーグリッドは送配電事業者であり電気の小売事業はしていませんので、恐れ入りますが電気料金についてのお問い合わせは、ご契約されている電力会社(小売電気事業者)へご相談ください。