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おすすめの掃除機の選び方は?スティックやロボット型の特徴や注意点

お部屋の掃除にかかせない「掃除機」。日本では1960年代の公営団地ブームにより、隣家や共用通路に接する団地特有の構造から、それまで戸建て住宅で行っていたように箒で外にゴミを掃き出すことができず、掃除機が受け入れられるようになりました。

また、「絨毯」などを施した洋室が取り入れられ、絨毯内に潜む「ダニ・ホコリ」の掃除にうってつけとなる「真空掃除機」が一般的に普及しました。

近年では、自動で掃除が可能となる「ロボット型」など豊富なラインナップから生活スタイルに合う掃除機を選ぶことができる時代となりましたが、実際にどれを購入するか迷う方も多いのではないでしょうか?

生活スタイル、お部屋の広さなど掃除機を選ぶ上での特徴や、安全な使い方などをご紹介いたしますので、自分にあった掃除機はどんなものか参考にしていただけますと幸いです。

1.掃除機の種類

掃除機には、吸引方式の違いとして、紙パック式、サイクロン式があります。
また、形としては、キャニスター型、スティック型、ロボット型があります。
電源は、コード付き、バッテリー式のコードレスがあります。

これだけ数えても種類が多岐にわたりますので、それぞれの特徴や安全に使うためのポイントをご紹介します。

2.吸引方式の違い

2-1.紙パック式掃除機

1980年代から採用された紙パック式掃除機。掃除機内部にセットした「紙パック」にゴミがたまり、紙パックがいっぱいになった時点で、そのまま捨てることができ、手を汚さずゴミ処理ができることが特徴です。

また、紙パックを取り替えるだけで使うことができ、お手入れが簡単なことも魅力的です。

ただし、紙パックは「使い捨て」になるため、定期的な補充が必要となります。
予備の紙パックを購入しようと店舗に出かけたが同じ型の紙パックが分からない、いざと言うときに紙パックにゴミがいっぱいで替えが無かった、というような煩わしさがあります。

パックに吸い取ったゴミがたまったままでしばらく放置すると、ニオイがすることがあります。
また、吸い込んでいる時には、常に紙パックを通過して空気が流れるため、ゴミがたまるとその分、吸引力が落ちてしまいます。
紙パックの交換が手間と感じる方もいらっしゃると思いますが、性能を保つためにも定期的な紙パックの交換をおすすめします。

紙パック式掃除機
紙パック式掃除機の例

純正紙パックのおすすめ

紙パック式掃除機の性能を十分に発揮するためには、純正紙パックの使用をおすすめします。
純正紙パック以外を使用すると、掃除機の吸引力に耐えられない場合があり、モーター部分に異物が侵入し発煙・発火が発生するおそれがあります。
また、形が合わない場合は、ゴミが漏れる原因にもなりかねません。

もしも、お使いの掃除機の純正紙パックがご不明な場合は、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)が「純正」紙パック適応表を公開していますので、参考にしていただければと思います。

参考:一般社団法人日本電機工業会(JEMA)純正紙パックのおすすめ<掃除機「純正」紙パック適応表>

2-2.サイクロン式掃除機

モーターの力で吸引し、吸引した空気とゴミを遠心力で分離し、ダストカップにゴミがたまる仕組みです。

大きな特徴としては使い続けても「吸引力」が落ちにくいことです。これは、遠心力でゴミと空気を分離するため、フィルターの目詰まりが少ないため、吸引力が落ちにくいとされています。

また、ダストカップにたまったゴミは、遠心力によりダストカップ内でまとまるため、そのままゴミ箱(ゴミ袋)に捨てることができる「お手軽さ」も売りとなっています。

ただ、紙パック式では簡単なお手入れも、サイクロン式では内部(ダストカップやフィルター)の定期的なお掃除が必要になります。

最近のサイクロン式掃除機は、ダストカップやフィルターを水で丸洗いできるタイプがあり、清潔さを維持し、お手入れも簡単になってきています。

3.形と電源方式の違い

3-1.キャニスター型掃除機

従来からある本体に車輪がついているタイプの掃除機です。

本体にモーターなどが内蔵され、「紙パック」や「ダストカップ」・「フィルター」などもこの部分に搭載されています。

近年では、コンパクト化・軽量化により操作性が改善され、使いやすいモデルが各メーカーから販売されています。

キャニスター型掃除機は、コード式が主流で、直接コンセントから電源が給電できることから、パワフルな吸引が可能です。

ただし、コンセントからの電源を必要とするため、掃除機のコードが届かない場合や掃除場所を移動する都度コンセントの抜き差しを行わなければならないケースがあります。
また、階段の掃除をする時には、コードの長さの心配の他、本体を持ち上げる必要がありますので、少し大変です。

キャニスター型掃除機

キャニスター型掃除機の例

コンセントから抜くときはプラグを持つ

伸ばしたコードを巻き取るとき、コードを引っ張ってコンセントから抜きたいと考えてしまうこともあろうかと思います。
安全のためにコンセントから抜くときは、コードではなく、プラグを持ちましょう。
配線やコードが傷つき感電やショートの原因になります。

また、コンセントの差し込み口が焦げていたり、ゆるくなっている場合は、接触不良により火災の原因になることがありますので、当該コンセントは使用せず、電気工事店などにコンセントの取替をしてもらいましょう。

3-2.スティック型掃除機

近年主流となりつつある掃除機。片手で気軽に掃除ができ、キャニスター型ほど場所をとらないスリムな形状が特徴です。

コードレスタイプのモデルが多く、コンセントからの距離を気にせず掃除が可能なため、例えば「自動車の車内」などを掃除することも可能です。
また、キャニスター型に比べ軽量であるため、持ち運びに優れ、階段の掃除にも便利です。

ノズルの取替により、ハンディークリーナーとしても活用でき、活躍シーンの幅が広いことも特徴と言えるでしょう。

ただし、コードレスタイプについては、充電切れなどを起こさぬよう使用後には都度充電することをおすすめします。
充電を忘れると、いざ!というときに使えないのでご注意を!

家を新築される予定がある方で、コードレス掃除機の導入予定があれば、収納の中にコンセントを設置することで充電中でも隠しておくことができ、すっきり収納できます。

コードレスサイクロン式掃除機
スティック型コードレス掃除機の例

純正バッテリーを使用する

独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)によると、インターネット通販で購入したバッテリーパックを充電式掃除機に装着して充電していたところ出火し、掃除機とその周辺を焼損した事例が発生しています。
充電式掃除機には、製品本体および純正バッテリー双方に充電状態を管理する安全機能があり、充電のしすぎを防ぐことができますが、非純正品では、そういった安全機能が正常に働かないものもあり事故に至るおそれがあります。

充電式掃除機のバッテリーパックを交換する際には、必ずメーカーが指定する純正バッテリーを使用しましょう。

出典:独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)「インターネットで購入した製品での事故」(2021年3月9日)

3-3.ロボット型掃除機

近年注目度が上がっているロボット型掃除機。家電量販店では、ロボット掃除機コーナーが常設されるなど注目されている掃除機です。

「ロボット」と言われるとおり、掃除機本体が自動で動くことに加え、自動で充電、障害物をよけて掃除するなど、部屋の環境を学習するAIが搭載されたタイプも発売されています。
また、お部屋にいなくてもお手持ちのスマートフォンで操作することができるなど高性能なタイプも存在します。

ロボット型掃除機は、掃除が終わると自らベースに戻り、充電を開始します。
中には、回収したゴミがベース内の紙パックに収集されるタイプもあります。その紙パックは密閉型で、基本「ゴミをみない」「ゴミを触らない」生活が実現します。

ただし、ロボットが超えられない高さの段差があると、その先は掃除ができないことや、ロボットが活躍できるよう床の上はある程度片付けておく必要がありますので、ご注意ください。

ロボット型掃除機

ロボット型掃除機の例

ストーブやヒーターは止めておく

東京消防庁の発表によると、ロボット掃除機が電気ストーブを押して動かし、可燃物に接触したことが原因の火災が発生しています。
ロボット掃除機は各種センサーが搭載されていますが、それを過信せず、ストーブやヒーターは止め、火のついたロウソク等は消してから使いましょう

出典:東京消防庁「電気ストーブ×ロボット掃除機の火災にご注意!」(2019年2月8日)

4.掃除機を購入する際の比較ポイント

これまで掃除機の種類を紹介してきましたが、ここからは掃除機を選び購入する上でのポイントをご紹介します。

4-1.お値段は?

吸引方式として「紙パック式」「サイクロン式」、形として「キャニスター型」「スティック型」など掃除の特徴についてご紹介してきましたが、ここからは、購入する際のポイントについてご紹介します。

まず気になる所が「値段」だと思います。

キャニスター型スティック型ロボット型
紙パック方式8千円~
※2万円台が主流
1万円~
※商品が少ない
2万円台~
※10万円を超える商品もあり
サイクロン式1万円台~
※2万4千円台が主流
2万円台~
※2万円以下もあり
10万円~

※個人調べ

安いものでは6千円から購入できる物もありますが、値段により吸引力など性能も異なるため、使用用途にあったものか調べてから購入しましょう。

4-2.ライフスタイルにあった掃除機選び

生活スタイルやお部屋の条件によって、掃除機を選ぶポイントが変わります。

例えば1人暮らしや、ワンルームマンションの場合は、設置スペースを取らない「スティック型」の掃除機がおすすめです。
お掃除する機会も週末だけ・・・なんて生活になりがちですし、掃除するスペースも限られているため、コードレスタイプのスティック型で十分と言えるでしょう。

戸建て住宅またはマンションなどご家族で生活する場合は、キャニスター型掃除機がおすすめです。

お掃除する部屋数が多く、その分、掃除の時間も長くなります。
お掃除時間が長く、様々なお部屋を掃除する機会がある場合は、バッテリー切れの心配が無いコード式のキャニスター型掃除機でお掃除することできれいなお部屋を維持することができるでしょう。

また、スティック型コードレス掃除機と併用することで、階段のお掃除が楽になり、お掃除の効率があがるなどのメリットがあります。
なお、スティック型コードレス掃除機でも、運転時間が長く吸引力の強いものであれば、メインの掃除機にすることが可能です。

スティック型コードレス掃除機

スティック型コードレス掃除機の一例。カプセル式でフィルターにたまったゴミを捨てるタイプ。

また、お値段は少し高いですが、自動的に掃除してくれる快適なくらしを求める方なら「ロボット型掃除機」も選択肢の1つです。

普段、会社や学校で不在になる時間帯を利用して、ロボット掃除機に掃除させると、帰宅後や週末の疲れた時でもお掃除する必要がなくなります。
ロボット掃除機は、自動掃除・遠隔操作が可能になるため、普段ご自宅にいる時間が短い方におすすめです。

5.まとめ

これまで掃除機の特徴や選び方、安全に使うためのポイントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

価格現在のライフスタイル
戸建て等ファミリーワンルームマンション
紙パックキャニスター型
スティック型▲※
ロボット型
サイクロンキャニスター型
スティック型▲※
ロボット型

※併用することで効率アップ!

掃除機を選ぶポイントはいくつかありましたが、ライフスタイルや予算に合わせて検討いただき、自分に合った掃除機を見つけてみてください。

東京電力パワーグリッドではお客さまが電気でお困りのことや、みてもらいたいことなど、ご家庭の電気安全のご相談にお応えするコンサルトサービスも実施しています。
当コラムで紹介した差し込み口が焦げたり、ゆるくなってしまったコンセントの取替工事も承っておりますのでお気軽にご相談ください。

  • 電気設備の点検をしてほしい
  • 漏電していないか心配なのでみてほしい
  • プラグやコードの正しい使い方を教えてほしい
  • 焦げたり差し込みのゆるくなったコンセントを取り替えてほしい
  • 分電盤やブレーカー、スイッチを取り替えてほしい

こんな時には、お客さまの屋内配線などを東京電力パワーグリッドが測定器を使って診断します。お気軽にご相談ください。
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