東京電力パワーグリット

コンセントの種類と身近なトラブルの防止対策について

日常生活で使用している家電製品ですが、使用するためには当然のことながら電気が必要です。

電気を使うときには家電製品のプラグをコンセントに差し込む必要がありますが、特段意識せず何気なくプラグをコンセントに差し込んで使用している方が大多数ではないでしょうか?

そんな身近にあるコンセントですが、差し込むだけの便利な反面、正しい使い方をしないと思わぬ危険があります。

今回はコンセントの種類や、起こりうるトラブルと対処法、日頃のメンテナンスも含めて正しい使い方をお伝えします。

1.コンセントの種類

コンセントといっても100Vで使用する家庭用の一般的なもの、200Vで使用する大型機器用や工業用のコンセント等、用途によって形状など異なるものが数多くあります。

ここではそれぞれのコンセントについて一般的な使い方や特性について紹介していきます。

1-1.単相100Vコンセント

一番身近な一般家庭で多く用いられる種類のコンセントです。

2つの穴があるタイプで、設置箇所も天井・壁・床・屋外(※屋外用)と、どこでも設置可能であり、スマホの充電などで普段何気なく使用しているコンセントがこのタイプです。

1-2.単相200Vコンセント

エアコンやIHクッキングヒーターなど大型の家電製品に対応しているコンセントで、コンセントの穴が横向きのIの字やLの字になっています。

エアコン取り付け位置近傍の壁やシステムキッチン等に設置されており、最近の住宅ではあらかじめこのタイプのコンセントが標準で施工されていることが多く、特別な電気工事をすることなく、大型の家電製品を取付することが可能となっております。(※設置されていない場合は電気工事士の資格を保有する電気工事店等による電気工事が必要になります。)

1-3.三相200Vコンセント

一般的には動力用コンセントと呼ばれる三相3線式200Vの工場や飲食店など業務用の大型機器や工作機器、医療用特殊機器等を使用するためのコンセントで、単相100Vや200Vのコンセントと形状も流れる電気の性質も異なります。

三相3線式200V機器を使用するためには、電気工事店等による屋内配線工事を実施した上で、ご希望の電力会社(小売電気事業者)と契約をし、管轄の送配電事業者による引込線工事が必要となります。

1-4.アース付きコンセント

電子レンジや洗濯機などには感電防止のためアース線(緑色の線)を接続する必要があります、基本的に水回り周辺にあるコンセントにはアース付きが施工されています。

コンセント本体の下側にアース端子用のフタがあるものや、アース極用に差し込み穴が3つあるものなど、判別は容易です。

1-5.屋外用防水コンセント

外壁に設置でき、屋外でも電気を利用できる単相100Vのコンセントです。

屋外に取り付けるため、雨水が入らないようカバーがついており、屋内用のコンセントとは形状が異なります。屋外で電気を使用する際に便利なコンセントです。

2.コンセント周りに多いトラブルと対処法

2-1.プラグを差し込んでも使用できない

コンセントの電源はどこから送られてきているのかご存知ですか?

家の中の電気は分電盤内にある安全ブレーカー(配線用遮断器)を通じてリビング・キッチン・寝室など各所に分配されています。

各安全ブレーカーには電気を送ることができる容量(アンペア)が決められているため、同じ安全ブレーカーにつながったコンセントで多数の家電製品(特に熱を出す家電)を同時に使用すると、そこにつながった安全ブレーカーが容量オーバーを検知し落ちる仕組みになっています。

分電盤

同じ場所で多くの家電製品を使っていたが、急に使えなくなった等のトラブルの際には、家電製品の使いすぎが考えられます。分電盤のブレーカーを確認し落ちているブレーカーがあれば上げることで復旧します。
ブレーカーを上げても復旧しない場合には、配線のショートやブレーカーの故障などが想定されますので、電気工事店等へ点検の依頼をお願いします。(東京電力パワーグリッドでも安全点検やブレーカーの取替を承ることができます。)

安全ブレーカーは一般的に20アンペアのため、100ボルト回路であれば消費電力2,000ワット分までの家電製品が使用できます。(計算式:100ボルト×20アンペア=2,000ワット)

ただし、一般的なコンセントは15アンペアの仕様になっていますので、同じ場所のコンセントから同時に使用する家電製品は、合計1,500ワットまでに収まるように上手に電気を使いましょう。
それ以上使用するとコンセントが過熱して、焦げたりして火災の原因となるおそれがあります。特にタコ足配線などにより家電製品を多用し、コンセントの容量がオーバーしないように使用しましょう。

たこ足配線

2-2.冷蔵庫や家具の陰に隠れたコンセントでのトラブル

冷蔵庫や家具の陰に隠れたコンセントは普通に使用できていれば気にすることがないでしょう。

そのため、隠れた場所に差し込んである家電製品のプラグには気が付かないうちに、埃がたまってきます。
それを長期間放置する事でコンセントとプラグの間に入った埃と湿気が影響し「ジジジジ」と微弱な火花が連続して発生することがあります。

その状態が継続するとコンセントが熱を帯びてきてやがて発火してしまいます。
これをトラッキング現象と呼びます。

トラッキング現象は毎年発生してる電気火災の原因の1つであり、発生防止対策をする必要があります。

特に隠れた場所にある普段抜き差ししないコンセントは特に注意しましょう。
定期的に乾いた布で付着した埃を落とす事で電気火災を未然に防止できます。

近年では下の写真のようなトラッキングを防止するコンセントも販売されておりますので、トラブルを未然に防止するためにも取り付けをおすすめします。

トラッキング防止コンセントの例

トラッキング防止コンセントの例

コンセントの取り替えは、電気工事店等にご依頼ください。
(東京電力パワーグリッドでもコンセントの取り替え工事を承ることができます。)

2-3.コンセントが熱を帯びていたり焦げくさい

電気を使用すると流れている電気の大きさに応じて熱が発生します。
1箇所のコンセントでワット数の大きい家電製品を同時に使用したり、長時間使用するとコンセント本体に熱を帯びることがあります。

使用している家電製品の消費電力(ワット数)が、コンセントや電源タップの上限の範囲内なのに高温になったり、焦げ臭いニオイがする場合には、接触不良やコードが断線しかけているなど、何かしらの異常がある可能性があります。

直ちに使用をやめ電気工事店等の専門家に診断してもらいましょう。
ワット数の大きい家電製品は、専用コンセントにすることで、使いすぎによる過熱の心配がありませんので安心です。

2-4.コンセントから異音がする・火花がでた

コンセントに熱を帯びる事は前述のとおりですが、家電製品のプラグがしっかり入っていないまま使用すると、プラグとコンセントの間で接触不良の状態となるため抵抗が高まり、時として「ジリジリ」や「ジジジジ」といった異音が発生することがあります。

そのまま使用を続けると抵抗が高まったことで発生した熱によりプラグやコンセントが焦げてしまったり、異常過熱による固着を起こしてしまいます。

そうなってしまうとコンセントも家電製品も故障してしまいますし、火災のリスクも高くなります。コンセントにプラグを入れる時は、最後までしっかり差し込んで使用することでトラブルを未然に防止できます。

その他、小さいお子様の思わぬ行動によって引き起こされる危険があります。

その行動とは、お子様がコンセントに小さな金属片(ヘアピンや自転車の鍵等)を差し込むことでおこるショートや感電です。

ショートが発生すると瞬間的に火花が散ったり場合によっては継続的に火花が散る等、非常に危険な状態となり火災や火傷などの大けがにつながるおそれがあります。

不慮の事故につなげないためにも、小さなお子様の手の届く所に金属片を置かないことと、コンセントカバーで穴をふさぐ等して事故を未然に防止しましょう。

コンセントカバー

また、「扉付きコンセント」というコンセントに取り替えると、プラグを差し込んでいない時には、穴が自動的にふさがり異物が入らない仕組みになっていますので、小さなお子様の事故防止におすすめです。

2-5.感電

プラグをコンセントに差し込む際は、濡れた手で差し込まないようにしましょう。

水(純水を除く)は電気を通しますので、濡れた手で触るのは非常に危険です。

家庭用の100Vコンセントでも感電した場合は命にかかわる事故につながる可能性がありますので、コンセントを抜き差しする際は必ず乾いた手で触れるようにしましょう。

また、洗濯機や温水洗浄便座など水を使う場所の家電製品や、エアコンや電子レンジなどのアース線がついている家電製品は、必ずアース線を接地端子につなげましょう。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は日ごろから何気なく使用しているコンセントについて紹介しました。

使い方ひとつで危険にもなるコンセントについて、ご理解いただけましたでしょうか?
正しい知識をもって使用すれば安心でとても便利なものです。

安心して生活していただくためにも、ご家庭の中にどういったコンセントがあるのか、焦げたコンセントはないか、少し点検してみてはいかがでしょうか?
その際は、トラッキング現象防止のためにも、簡単な清掃もあわせて実施することをおすすめします。

なお、東京電力パワーグリッドではお客さまが電気でお困りになっていることや、心配なところなど、ご家庭の電気を安全に使っていただくためのコンサルトサービスを実施しています。

  • 電気設備の点検をしてほしい
  • 漏電していないか心配なのでみてほしい
  • プラグやコードの正しい使い方を教えてほしい
  • ブレーカーやコンセント・スイッチを取り替えてほしい

こんな時には、お客さまの屋内配線などを東京電力パワーグリッドが測定器を使って診断します。お気軽にご相談ください。
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