空気清浄機で花粉症や臭い対策!ニーズ別の選び方と効果的な使い方
室内の空気環境には、アレルギーの原因となる様々なアレルゲンがあります。
アレルゲンとして主なものは、ダニ、カビ、ハウスダスト、ペットの毛、フケなどがあると言われています。また、外部から侵入した花粉もアレルゲンとなります。
2~4月はスギ花粉、3~5月はヒノキ花粉、8~10月はブタクサ花粉が地域により飛散するため、ハウスダスト等を含めると、年間を通じて花粉症やアレルギー性鼻炎などのアレルギーに苦しんでいる方は少なくないのではないでしょうか。
家の中では、ハウスダストや花粉等を気にせずに快適に過ごしたいものですね。
他にもペットやタバコ等のニオイを不快に思う方や、赤ちゃんにはキレイな空気を吸ってほしいといったニーズもあると思います。
そんな時に強い味方となってくれるのが、「空気清浄機」です。
おうち時間や在宅勤務(テレワーク)を快適に過ごすためにも、使う部屋やニーズに応じて最適な空気清浄機を選びたいものです。
今回のコラムでは、空気清浄機のメリット・デメリットやニーズ別の選び方、購入後の効果的な使い方についてご紹介いたします。
自分にあった空気清浄機はどのようなものか、このコラムを参考にしていただけますと幸いです。
1.空気清浄機の歴史と普及率
空気清浄機は、空気中に浮遊するホコリや花粉、ハウスダスト等を除去できる便利な家電です。別名エアクリーナーともいいます。
高度経済成長期の真っ只中、四日市ぜんそくなどの大気汚染による公害が社会問題となり、その対策として1962年(昭和37年)に発売されたのが日本での空気清浄機の始まりです。
花粉症、喫煙問題、黄砂、PM2.5濃度の上昇、住宅の高気密・高断熱化やペットを飼う人の増加など、空気環境や生活環境をめぐる様々な状況から、空気清浄機の需要が高まったと言われています。
内閣府によると2022年3月末の調査では、普及率が45.7%(2人以上の世帯)※となっています。
※出典:内閣府「消費動向調査」<二人以上の世帯>第5表主要耐久消費財等の普及・保有状況(令和4年3月末現在)
2.空気清浄機の集じんの種類とメリット・デメリット
空気清浄機の「集じん」の仕組みは、主に「ファン式」「電気式」「併用式」の3種類があります。
ここではファン式と電気式のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
なお、いずれの方式も空気清浄機に換気能力はなく、一酸化炭素や二酸化炭素を薄める機能はありませんので、屋内でガス機器や灯油機器を使用する場合は、換気が必要です。
2-1.ファン式のメリット・デメリット
ファン式の空気清浄機は、吸引した空気をフィルターに通すことで空気中の浮遊物質を集め、除去する仕組みです。
ファン式のメリット
- フィルター単体で除去するため、本体が比較的コンパクトなものが多い
- 多くのメーカーがファン方式の空気清浄機を販売しているため、製品ラインナップが豊富
- ファンにより空気を循環させるため、集じん能力が高い
ファン式のデメリット
- 定期的なフィルター掃除や交換が必要
- 使用するにつれ、目詰まりが発生し性能が低下するおそれがある
- ファンの運転音が気になる場合がある
なお、ファンの運転音が気になるという方は、「静音モード」搭載のモデルを選択するとよいでしょう。
2-2.電気式のメリット・デメリット
電気式の空気清浄機は、高圧放電で空気中の塵やホコリをプラスに帯電させ、マイナスの電気を帯びたフィルターで集塵する仕組みです。
電気式のメリット
- 静電気で汚れを取り除くため、フィルターが目詰まりしにくく、性能低下しにくい
- お手入れが簡単
電気式のデメリット
- 電気集じん部が必要なため、本体が大きくなる
- ファンで集じんをしていないため、ファン式より集じん能力が劣る
3-3.併用式(ファン式+電気式)
空気清浄機の機種によっては、ファン式と電気式を組み合わせた併用式もあります。
集じん能力に関しては、両方のメリットがありますが、ファン式のフィルター部分と電気式の電極部分と両方のお手入れをする必要があります。
3.空気清浄機に求めるニーズ別の選び方
ここでは空気清浄機に求めるニーズ別の選び方についてご紹介いたします。
3-1.花粉症対策で空気清浄機を使用したい
花粉症対策でオススメの空気清浄機は「HEPAフィルター付きの空気清浄機」です。
HEPAフィルターとは空気中の0.3μm以上の粒子を捕集することができる高性能なエアフィルターのことを言います。
スギ・ヒノキ花粉の大きさは30~40μmであるためHEPAフィルターで十分に捕集することが可能なため花粉には効果があります。製品によっては、HEPAフィルターのメンテナンスが原則不要で10年に1回ほど交換するだけでお手入れが済むものもあります。
ランニングコストはかかりますが、お手入れを楽にしたい方にもオススメです。
また、空気清浄機のなかには、「花粉モード」を搭載した製品もあります。
花粉モードは、強めの風量で運転を実施し効率的に花粉を除去してくれることから、花粉症対策で空気清浄機を購入する際は、「HEPAフィルター付きの空気清浄機」もしくは、「花粉モード」を搭載した空気清浄機を選んでみてはいかがでしょうか。
3-2.赤ちゃんがいる部屋で空気清浄機を使用したい
赤ちゃんがいる部屋でオススメの空気清浄機は「空気を下から吸引する空気清浄機」です。
赤ちゃんがいるとどうしても床上の汚れが気になるかと思います。
上部や背面に吸引口があるものは、床上の空気の吸い込みが弱いため前面下部から吸い込むタイプをオススメします。
また、「UV除菌機能」がついたものであれば、紫外線で除菌をすることができますので、赤ちゃんがいる部屋にもオススメです。
赤ちゃんが誤って操作しないためにも「チャイルドロック機能」が搭載された空気洗浄機を選んでみてはいかがでしょうか。
3-3.タバコを吸う部屋で空気清浄機を使用したい
タバコを吸う部屋でオススメの空気清浄機は、「脱臭フィルター付きの空気清浄機」です。フィルター以外の手段でもニオイを分解してくれる機能を有したモデルもありますので、ニオイ分解機能付き搭載モデルの空気洗浄機を選んでみてはいかがでしょうか。
3-4.ペットがいる部屋で空気清浄機を使用したい
ペットを飼っている部屋でオススメの空気清浄機は、「脱臭フィルター付きの空気清浄機」です。
脱臭フィルターがついていることで、犬や猫の臭いを吸い取ってくれますので、ニオイを気にされる方に適しています。
また、衣類についたペットの抜け毛やフケの吸い込みも可能ですので、脱臭フィルター搭載の空気洗浄機を選んでみてはいかがでしょうか。
臭い対策としては、イオンを放出して消臭するタイプもあります。イオン濃度が高いものを選ぶことで消臭力もアップしますので、購入時にチェックしてみましょう。
3-5. 空気をよりはやくキレイにする空気清浄機を使用したい
空気清浄機にはどの製品にも「最大適用床面積」が記載されております。これは「30分間で空気を清浄できる畳数」の目安であり、面積が大きければ大きいほど清浄するパワーが大きいです。そのため、空気をよりはやくキレイにしたい場合は、実際に空気清浄機を設置する床面積の2~3倍の広さを清浄できるものを選ぶのがオススメです。
3-6. 風邪やインフルエンザ対策で空気清浄機を使用したい
風邪やウイルス対策には「加湿機能付き空気清浄機」がオススメです。
湿度が低いままだと乾燥してホコリが舞ったり、ウイルスが活発になったりと菌やウイルスが繁殖しやすい状態になります。
「加湿機能付き空気清浄機」は加湿しながら空気清浄ができるので、乾燥を防ぎウイルス対策にもなりますし、空気清浄機と加湿器を別々に稼働させる必要がないので電気代を抑えることも可能です。加湿をするためにタンクの水が少なくなったら、給水する必要があります。
なお、加湿機能に加え、除湿機能が搭載されたタイプもあります。雨の日に除湿をしたいといったニーズがあれば、そういったタイプも検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、加湿や除湿など、機能が追加されることで、価格が高くなり、機器が大型化する傾向がありますので、購入費用や設置スペースをふまえて検討されるとよいでしょう。
4.空気清浄機の効果的な使い方
空気清浄機は設置場所や運転時間によって効果が変わってきます。
ここでは効果的な空気清浄機の使い方についてご紹介いたします。
4-1.空気清浄機の設置場所
基本的には、外気の気流が少ない窓やドアから少し離れた場所に設置することをオススメします。そうすることで、部屋の中の空気を効率よく対流させることができます。
花粉症の方は、玄関やリビング等の入り口に設置することで花粉を防ぐことができます。
また、快適な睡眠を希望しており、寝室に設置したいけど音が気になる方は、音の大きさが20~30デシベル以下の製品を選ぶことをオススメします。
なお、メーカーによって、運転音を抑える「静音/就寝モード」を搭載しているモデルもあります。
4-2.空気清浄機の運転時間
空気清浄機は、24時間稼働させることで最大限の効果を発揮します。
24時間稼働させることで、空気が汚れるペースが遅くなることや部屋にホコリが溜まりにくくなります。また、自動運転にすることで、空気の汚れによって運転制御をしてくれるので省エネの効果もあります。
ただし、数日間不在の際は、安全面の観点からも電源はオフにしましょう。
5.空気清浄機と組み合わせて使いたい機器
ここまで空気清浄機のシーン別の選び方や使い方をご紹介いたしましたが、除菌やニオイを抑制してくれるのは空気清浄機だけではありません。
最近メディアでも話題になっている「次亜塩素空間除菌脱臭機」についてご紹介させていただきます。
5-1.次亜塩素空間除菌脱臭機とは
次亜塩素空間除菌脱臭機は、本体内で「次亜塩素酸水溶液」を生成。吸い込んだお部屋の空気を本体内で水洗いするようにすっきり除菌します。また、キレイになった空気は、気体状の次亜塩素酸と一緒にお部屋へ。
これを繰り返すことで空間を丸ごとクリーンにすることが可能となります。
そのため家庭はもちろんのこと、職場や病院、ペットショップなどにも普及しつつあります。
5-2.空気清浄機と次亜塩素空間除菌脱臭機の違い
空気清浄機と次亜塩素空間除菌脱臭機は、使用目的が異なります。
PM2.5や花粉、タバコの煙、ハウスダスト、一般的なニオイ等の全般に対応しているのが空気清浄機ですが、次亜塩素空間除菌脱臭機は、菌や強いニオイ・発生し続けるニオイに特化した機械です。
そのため、花粉やハウスダスト等には空気清浄機を活用し、除菌や強いニオイや発生し続けるニオイ対策のために次亜塩素空間除菌脱臭機を同時に活用するのがオススメです。
6.まとめ
「空気清浄機」を設置する場所や目的、ライフスタイルによって選び方は様々です。
目的にあった空気清浄機を選択し、効果的に使うことで、花粉やホコリ、ニオイ等による不快感から開放され、おうち時間や在宅勤務(テレワーク)を快適に過ごしてみてはいかがでしょうか。
このコラムがみなさまのライフスタイルにあった空気清浄機選びに少しでもお役に立てば幸いです。
ここまで、読んでくださり、ありがとうございました。
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