【停電対策】家庭でできる備えや対処法とは?
近年では、日本でも自然災害が増えており、その被害の大きさから災害対策を考える方も増えています。
住んでいる地域や自宅が被災すれば、電気設備も被害を受け停電してしまうことがあります。電化製品が使えない明かりのない生活ほど、辛いことはありません。
今回は、停電に備えて普段からできる対策についてご紹介します。
1. 自宅でできる停電対策
災害でなくでも、停電することはあります。
そんな時に慌てないように、自宅でもできる停電対策をご紹介します。
1-1. リビングや寝室に懐中電灯を置く
まず、真っ先に用意しておきたいものは、懐中電灯です。小さくて携帯しやすいので、停電した時や、ブレーカーが落ちた時の確認にも便利です。
できることなら、何本か用意をしてください。自宅の至る所に置いておくと、家族も安心して使えます。
また、手持ちタイプやランタンタイプ等複数用意するのがおすすめです。
懐中電灯を置く場所としておすすめなのはこちらです。
・家族が集まるリビング
・寝起きでも慌てない寝室
人は、寝ている時ほど無防備なことはありません。
そんな時に慌てないように懐中電灯を用意しておきましょう。
1-2. 蓄光テープを貼る
蓄光テープとは、暗くなると光るテープです。
テープ本体に蓄光材があり、日中の自然光や蛍光灯の人工光を蓄えることで、暗くなると自然に光ります。
段差や障害物のあるところに貼っておくと便利です。
1-3. ラジオを用意する
停電すると、電化製品は一切使えなくなります。
普段、テレビやインターネットで情報を収集している方もいますが、全て使用できません。
そんな時に、頼りになるのがラジオです。
ラジオは、放送局が発信している電波をキャッチする無線受信機なので、停電した時にも安心して使用することができます。
最近では、ソーラー充電や手回し充電ができるものや、ライト付きのもの、スマートフォンへの充電機能付きといった防災に役立つ機能がついた、防災ラジオという製品もあります。
正しい情報が得られるのと、不安な時に聞こえてくる言葉に癒されます。
1-4. 自作ランタンを作る
ランタンと聞くと、アウトドアで使用するものを思い出す方もいらっしゃるはずです。
現在のランタンは、乾電池を使いランプ部分のLEDなどを灯します。
アウトドアが趣味で、日頃から使い慣れている方や常備している方は問題ありませんが、ランタンを持っていない方もいるはずです。
そんな方にお伝えしたいのが、自作ランタンの作り方です。
お手持ちの懐中電灯に、水の入ったペットボトルを乗せるだけで、光が乱反射し周りを照らすことができます。
懐中電灯が小さく、ペットボトルが乗らない場合は、コップに懐中電灯を入れてその上にペットボトルを乗せると良いでしょう。
(出典 : 警視庁災害対策課災害警備係)
1-5. 断水に備える
停電した時には、ライフラインが全て止まってしまい断水になることも考えられます。
飲料水として、洗い物やトイレなど生活のためにも欠かせないものです。
そのためには、水のペットボトルを日頃から確保しておくことが必要です。
賞味期限切れにならないよう、日常的に古いものから使っていき、使った分だけ補充するローリングストックを行うとムダがありません。
1-6. 自家発電機
自家発電とは、電力会社からの電力に頼らずに発電装置で発電することをいいます。
工場や病院など、主要な建物や施設では停電したらすぐに自家発電へと切り替えられるシステムができています。
こうした大規模なものでなくても、自宅で自家発電機を用意して停電に備えることができます。
・手動式発電機
手で発電機を回して電力を確保します。発電機の種類は豊富で用途によって選ぶことができます。
エンジン式発電機の場合だと、発電に燃料が必要になりますが、手動式の場合には、燃料は必要ありません。
しかし、一度に大きな電力を作り出すことができません。
ラジオや携帯電話の充電に使用するのがおすすめです。
・太陽光発電
再生可能エネルギーとして注目される太陽光を利用して、発電するシステムです。
設置費用はかかりますが、電力会社に売電することができるので、自宅の屋根や空いている土地を活かして、設置するケースが増えています。
夜は発電することができませんが、日中は停電時でも、自立運転に切り替えることで、特定のコンセントから電気を使用することができます。
1-7. 蓄電池
家庭において電気を貯めるための装置です。
据え置き型やポータブルタイプの蓄電池があり、ポータブルの場合、建物内でも外でも使用することができます。
蓄電池には幅広いタイプがあり、発電した電気を蓄え自家消費するために、太陽光発電と併用しているケースもあります。
・自動車を蓄電池にする
いま、自動車を蓄電池として利用することが注目されています。
対象となる主な自動車はこちらです。
・EV(電気自動車)
・PHV(プラグインハイブリッド車)
V2H(Vehicle to Home)機器と呼ばれる「蓄電された電気を家庭用電力へ変換する装置」に電気自動車を接続します。こうすることでEVやPHVを蓄電池として使用することができます。(V2H機器がなくても、車体に搭載されているACコンセントに家電製品をつないで使用することもできます。)
2. 停電している状況と原因
「停電しているかな?」と思ったら、まずは状況を確認してください。
状況によって、考えられる原因が違います。
2-1. 自宅のみが停電している
自宅のみが停電している時には、こんな状況が考えられます。
・ブレーカーが落ちている
・照明器具の故障や球切れ
ブレーカーが落ちる原因は、電気の使いすぎや、漏電していたりすることなどが考えられます。
まずは、分電盤で3種類あるブレーカーのうち、どれが落ちているかを確認して対応してください。
復旧方法は、こちらの記事を参考にしてください。
ブレーカーが落ちる3つの原因と復旧と対策
また、照明のみがつかない場合は、球切れや照明器具の故障が考えられます。この場合、新しいものに交換することで停電を解消することができます。
2-2. 周辺一帯が停電している
自宅だけでなく周辺一帯が停電している時には、何らかのトラブルや工事などにより停電してる可能性があります。
・自然災害や事故による停電
・工事のための停電
自然災害などにより、送配電や設備にトラブルが発生すると電気が一時的にストップしてしまいます。
この場合は、一刻も早く電気をお届けできるよう復旧作業を進めますが、損壊状況によっては復旧までに時間を要してしまうことがあります。
工事のための停電は、主に電気設備の点検・修理をする時にやむを得ず電気を止めて工事をすることがあります。
この場合は、事前に電力会社からチラシなどによりお知らせがあります。
3. 停電したら最初にすること
停電となった原因や状況にもよりますが、最初にやっておきたいことが3つあります。
3-1. 電源プラグを抜く
自宅で使用している電化製品の電源プラグを、コンセントから抜いてください。
これは、停電から復旧した時に、アイロンや電気ストーブなどに通電することで火災につながるおそれがあるためです。
また、災害などによる停電時に自宅を離れる時は、 電気の消し忘れによる事故を防ぐために、分電盤のブレーカーを切ってください。 日頃から分電盤の位置を確認しておきましょう。
3-2. 明かりを共有して節約
停電している時は、なるべくリビングなど1ヶ所に集まり明かりを共有してください。
対策でもご紹介したように、懐中電灯やランタン、蓄電池などによって、電気や明かりを確保することはできます。
しかし、自然災害により復旧までに時間がかかることがあります。
たとえ蓄電池などを設置しているご家庭であってもとても貴重な電気です。
できるだけ電気の使用は控えておきましょう。
3-3. 冷蔵庫は開けない
食料品が入った冷凍庫について、溶けてしまわないか心配かと思います。
停電の時には、冷凍庫自体が応急的な保冷機能となります。
そのため、慌てて食料品をクーラーボックスに移動させる必要はありません。
むしろ扉を開けないように貼り紙をしたりしておいてください。
停電中は、冷やすことができないので、極力開けない方が長く冷やしておくことができます。
※停電が長引く場合は、クーラーボックス等への移し替えをおすすめいたします。
4. まとめ
停電はどのご家庭でも、いつでも発生する可能性があります。
停電したらまずどうすれば良いのか、準備・対策をされることをおすすめします。
なお、東京電力パワーグリッドではお客さまが電気でお困りのことや、みてもらいたいことなど、ご家庭の電気安全のご相談にお応えするコンサルトサービスを実施しています。
- 電気設備の点検をしてほしい
- 漏電していないか心配なのでみてほしい
- プラグやコードの正しい使い方を教えてほしい
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