突然の停電!そのときどうする?漏電ブレーカーが落ちる原因と対処方法
今や、私たちの生活に必要不可欠な存在である電気。便利な生活を支える反面、目には見えないものでもあるため危険も伴います。
「漏電」という言葉一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この「漏電」の危険から私たちを守ってくれるのが「漏電ブレーカー」です。
今回は、この漏電ブレーカーの役割や漏電の原因、漏電ブレーカーが落ちたときの対処方法についてご紹介します。
1.漏電ブレーカーとその他のブレーカー
お家の中には分電盤というものが設置されています。分電盤はそれぞれの部屋に電気を分ける働きをしており、この分電盤の中に漏電ブレーカーも設置されています。
図とともに、それぞれの役割について説明します。
1-1.漏電・感電事故を防ぐ漏電ブレーカー
家の中の配線や電気製品が万一漏電したとき、その異常をすばやく感知して自動的に電気を切るのが漏電ブレーカーです。もし漏電が起こっても、漏電ブレーカーが切れることで火災や感電事故を防ぎます。
1-2.アンペアブレーカーは、過剰な電気をシャットアウト
分電盤の左端についているのがアンペアブレーカーです。契約アンペア以上の電気が流れると自動的に電気が切れるしくみになっています。
例えば、写真にある40アンペアの場合、家全体で4,000ワットを超える家電製品を使用するとブレーカーが落ちます。(10アンペアあたり、1,000ワット使用可能。)
※スマートメーターが取り付けられているご家庭の場合、スマートメーターに内蔵されているアンペアブレーカーの機能により契約アンペアを設定している場合があります。この場合、下図のようにアンペアブレーカーは取り付けられておりません。(使いすぎの場合は10秒後に自動復旧します)
1-3.安全ブレーカー(配線用遮断器)は、電気の行き先を配線ごとに守っています
電気は分電盤からいくつかの回路にわかれて各部屋へ運ばれます。この回路(分岐回路)の安全を守るのが安全ブレーカー(配線用遮断器)で、1回路に1つずつついています。
1つの回路に流すことのできる電気の量は20アンペアが目安(100ボルト回路で2,000ワットまで)です。回路をいくつかにわけておくと何か異常が起きても影響が少なくてすみます。例えば、照明用とコンセント用に回路をわけておけば、器具に異常が起きてコンセント用の回路が切れても、照明用は切れません。
2.漏電が起きるとどうなる?
そもそも漏電とは、電気が本来通るべきルートを外れて漏れてしまう現象をいいます。
漏電すると、電気が漏れている状態なので、漏電箇所に触れると感電してしまったり、漏電による発熱で火災に至る場合もあり大変危険なものです。
ただし漏電が起きると基本的には漏電ブレーカーが感知してブレーカーが落ち、電気を止めるため、事故を未然に防ぐことができます。
また、家電製品につながっているアース線(緑色の電線)は、万が一、漏電した場合に漏れた電気を大地に逃がして感電を防止する役割があります。
アース線が付いている家電製品は、必ずアース端子にアース線を接続しておきましょう。
漏電ブレーカーの設置に加えて、アース線の接続をしておくと安心です。
3.漏電の主な原因
では、どのような場合に漏電がおきるのでしょうか。
家電製品や電気の配線には、電気が漏れないように「絶縁」という処理が施されています。
漏電の原因は、家電製品や電気配線の劣化や故障、水濡れ等により「絶縁」が悪くなって、漏電を起こしてしまうケースがほとんどです。
古くなって調子の悪い家電製品等があれば使用を控え、買い替えやメーカーでの点検をするといった対処をすることで漏電を未然に防ぐことができます。
また、コードに傷がついていたら、使うのをやめましょう。
4.万が一漏電ブレーカーが落ちたら
漏電ブレーカーが落ちたら漏電している可能性が高いです。
先ほど述べたように、漏電原因の多くは家電製品や電気配線に起因することがほとんどであるため、まずはその問題箇所を見つけることが重要になります。
ここでは、漏電した場合の漏電箇所の特定と電気の復旧方法をご紹介します。
①アンペアブレーカーのつまみが「入」になっていることを確認する
※イラストの分電盤はイメージです。スマートメーターに内蔵されているアンペアブレーカーの機能により契約アンペアを設定している場合があります。この場合アンペアブレーカーは取り付けられておりません。②の操作から行ってください。
②安全ブレーカー(配線用遮断器)のつまみをすべて「切」にする
③漏電ブレーカーのつまみを「入」にしたあと、安全ブレーカー(配線用遮断器)のつまみを1つずつ「入」にする
④問題のある回路の安全ブレーカー(配線用遮断器)を入れたときに漏電ブレーカーが切れたらその回路に漏電の可能性がある
⑤すべての安全ブレーカー(配線用遮断器)を「切」にし、再び漏電ブレーカーのつまみを入れる
⑥問題のある回路以外の安全ブレーカー(配線用遮断器)を1つずつ「入」にする
漏電箇所が特定できたら、すぐに電気工事店等に点検を依頼しましょう。
なお、ご紹介した操作をおこなっても全てのブレーカーが問題なく「入」になり漏電箇所が特定できない場合もあります。
この場合、一時的な漏電であったり漏電ブレーカー自体の故障等が考えられます。その場、電気は使えるようになりますが、再度、漏電ブレーカーが落ちて停電する可能性がありますので、電気工事店等へ点検を依頼することをおすすめいたします。
5.まとめ
- 漏電は感電や火災の原因となる危険性がある。
- 漏電はそのほとんどが、家電製品や電気配線の劣化・故障が原因。
- 漏電ブレーカーが落ちたら、落ち着いて漏電箇所の特定・電気の復旧操作をしてみよう。
- 電気は目に見えないもの。困ったら電気工事店等へ相談しよう。
なお、東京電力パワーグリッドではお客さまが電気でお困りのことや、みてもらいたいことなど、ご家庭の電気安全のご相談にお応えするコンサルトサービスを実施しています。
- 電気設備の点検をしてほしい
- 漏電していないか心配なのでみてほしい
- プラグやコードの正しい使い方を教えてほしい
- ブレーカーやコンセント・スイッチを取り替えてほしい
こんな時には、お客さまの屋内配線などを東京電力パワーグリッドが測定器を使って診断します。お気軽にご相談ください。
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