東京電力パワーグリット

湿気対策には除湿機がおすすめ!除湿機の選び方と上手な使い方をご紹介します!

「湿気」と聞くと一般的に「梅雨」をイメージされると思いますが、夏から秋の変わり目には秋雨が降り、台風もやってきますし、冬には雪が降ります。実は日本は世界平均の約2倍の降水量があると言われています。
また、冬場は室内温度と外気温との温度差によって、窓や壁などに結露が発生しやすくなるため、1年をとおして「湿気」の対策には気を配られている方も多いのではないでしょうか。
「湿気」がこもるとカビが発生しやすくなり、カビの臭いや汚れが壁などに一度付いてしまうと落とすのは大変です。そのため、「湿気」をこもらせないような環境づくりの一つの対策として除湿機の使用があります。
今回のコラムでは、これから除湿機の購入を考えている方向けに、除湿機の種類や購入時の選び方、購入後の効果的な使い方についてご紹介いたします。

 

1.除湿機の種類と特徴

除湿機は室内の湿気を取り除き、湿度を下げる効果があります。コンプレッサーを利用した「コンプレッサー式」、乾燥剤を利用した「デシカント式」、2つの機能をまとめた一体型の「ハイブリッド式」、パソコンCPUの冷却や小型冷温庫などにも利用されている「ペルチェ素子」を用いた「ペルチェ式」があります。
それぞれの種類別の特徴やメリット・デメリットを解説いたします。

1-1.「コンプレッサー式」は高温時の除湿能力が高いので気温が高い季節におすすめ

湿気を含んだ空気を冷却して結露を強制的に発生させ、水滴に変えてタンクに貯めて取り除く方式です。
冷媒を除湿機内部のコンプレッサーで圧縮し、水分を取り除いた空気を室内に放出することで、湿度を低下させ除湿します。空気を冷やして結露させるため、高温時の除湿能力が高いので気温が高い季節に使うことがおすすめです。

◇メリット
・電気代が安い(消費電力が少ない)
・高温時の除湿能力が高い
◇デメリット
・低温時に除湿能力が低下
・本体が重い
・運転音、振動音が大きい

コンプレッサー式は除湿できる量が多いので、気温や湿度が高い梅雨の時季や夏場に高い効果を発揮します。また、後述のデシカント式のようにヒーターを使用しないため室温があまり上昇しません。
しかし、気温が低い場合は除湿力が落ちるため、冬場は除湿効果が発揮されません。また、コンプレッサー(圧縮機)を内蔵しているため運転音も大きく、重量も重いのがデメリットです。

1-2.「デシカント式」はヒーターを使うので気温が低い季節におすすめ

フィルターに湿気を含む空気が通過することで除湿する方式です。空気中の湿度を吸収したフィルターはヒーターで温められた後に熱交換器内で冷やすことで水滴に変化させて除湿します。
冬場の結露防止にも効果的です。軽量でコンパクトなサイズであることと、運転音が比較的小さいことがメリットですが、ヒーターを使うため電気の消費が多くなります。
また、ヒーターを使用するため、除湿中は室温が3~4℃上昇するといわれておりますので、気温が低い季節に使うことがおすすめです。

◇メリット
・軽くて持ち運びやすい
・気温や季節に関係なく除湿能力が一定
◇デメリット
・電気代が高い(消費電力が多くなる)

デシカント式はヒーターを使用しており、除湿機から温風が出るので洗濯物の乾きも早く、衣類の室内干しが多いという方に向いています。
軽量でコンパクトなサイズのため室内干しをしているお部屋や脱衣所、寝室などに簡単に移動させることが可能です。ただし、室内の温度が上昇しやすいため、夏場より冬場に適しています。

1-3.「ハイブリッド式」は本体が大きくてもオールシーズン使いたい方におすすめ

コンプレッサー式とデシカント式の両方の機能を搭載した多機能除湿機です。両方の特徴を持っているため、ハイブリッドという名称がつけられています。
夏場はコンプレッサー式、冬場はデシカント式とその時の気温等によって切り替えて運転するため、無駄が少なく、効率よく運転することができるので、オールシーズン使いたい方におすすめです。
ただし、性能が高い分、本体が大きく購入価格が高めの製品が多いという弱点もあります。

◇メリット
・1年中高い除湿力を維持
・気温により除湿方式を自動で切り替える
◇デメリット
・購入価格が高い
・本体が大きくて重い

ハイブリッド式はオールシーズン使用できるタイプの除湿機なので、日常的に除湿機を使いたいという方に向いています。花粉や砂埃、PM2.5等の衣類付着の心配から、洗濯物を部屋干ししたい方にはおすすめです。
ただし、本体も大きく重いため簡単に移動するのは難しく、置き場所の確保も必要となります。

1-4.「ペルチェ式」はコンパクトなので狭いスペースの除湿におすすめ

コンプレッサー式除湿機と同じ原理で、ペルチェ素子によって湿気を含んだ空気を冷却し、結露させて水滴にする仕組みになっています。高温時に除湿能力を発揮できますが、低温時は除湿能力が落ちます。
ペルチェ素子とは電子部品のひとつであり、異なる金属の接合部分に電流を流すと片方からもう片方の金属へ熱が移動する「ペルチェ効果」を利用しています。自己発熱も多いため冷却効果は低いが、軽量でコンパクトなので、コンピュータのCPU冷却や医療用冷却装置など、様々な分野で活用されています。

◇メリット
・軽くてコンパクト
・運転音が静か
・価格がリーズナブル
◇デメリット
・除湿能力が低い
・低温時に除湿能力が低下

ペルチェ式はコンパクトで運転音が静かなため、狭めのお部屋やクローゼット、寝室に適しています。
狭いスペースでの湿気・カビ対策をしたいという方に向いています。
しかし、他のタイプより除湿能力は低いので、洗濯物の乾燥や室内の湿気対策等のメインの除湿機としては不向きと言えます。

2.除湿機の選び方

ここまでは除湿機の種類と特徴についてご説明しましたが、ここではご家庭に最適な除湿機を選ぶポイントについてご紹介します。

2-1.除湿能力は部屋の畳数にあったものを選ぶ

除湿機は、部屋の広さに応じて選ぶことが基本です。高気密高断熱である鉄筋コンクリート造りマンション等であれば、外部からの湿気の侵入が少ないため比較的能力が小さな機種であっても高い除湿効果を発揮します。
開放的な木造住宅では、除湿能力が高い機種を選択することがポイントです。
畳数と除湿能力を同一程度にするのが目安となり、6畳の部屋であれば6㍑/日の除湿能力が必要です。

2-2.タンク容量はなるべく大きなものを選ぶ

除湿機にはタンクが満水になると自動で運転を停止する機能が付いているものがほとんどです。
いつの間にか運転が止まっていることもありますので、タンクの容量はなるべく大きなものを選ぶことをおすすめします。排水を溜めておくタンクの容量が少ないと、こまめに水を捨てるという手間が増えてしまいます。

3.除湿機の効果的な使い方

除湿機は、使い方や置く場所によって効果が変わってきます。ここでは、効果的な使い方をご紹介します。

3-1.除湿機の設置場所は中央がおすすめ

広い部屋の場合には、なるべく部屋の中央に設置することで高い除湿効果を得ることができます。また、部屋の隅に設置する場合では、湿った空気を吸い込む「吸気口」を部屋の真ん中に向けて設置し、乾いた空気を吐き出す「排気(送風)口」は広くスペースを確保しましょう。

3-2.除湿機の設置高さはできるだけ低い位置に

湿気は床に近いところに溜まります。除湿機は床などできるだけ低い位置に置きましょう。また、扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させながら除湿することで高い効果を得ることができます。

4.洗濯物の乾燥にも役立ちます

雨の日で外に洗濯物が干せないときは、部屋干しした洗濯物を乾燥させるためには除湿機が効果的です。
洗濯物の水分は、重力によって時間とともに下に移動してくるため、下側が乾きにくくなりがちです。そのため、洗濯物は間隔を適度に空けて干して、除湿機から出る乾燥風が洗濯物に当たりやすい場所に除湿機を置くと効果的です(除湿機から30~40㎝程度は離して置きましょう)。

また、洗濯物は風を当てることによって早く乾くため、扇風機やサーキュレーターを併用して使用するのも効果的です。空気の流れが滞りやすい天井方向へ風を向けることで、室内の空気が循環され除湿効果がアップします。

サーキュレーターを搭載した衣類乾燥除湿機は、部屋干しの乾燥時間を大幅に短縮するなど、大量の洗濯物や厚手の衣類の乾燥にとても便利です。

 

5.まとめ

「除湿」といっても場所や目的、時季によって製品の選び方は様々です。使用環境や効果的な使い方をすることで、湿気による不快感から開放された快適な生活を送りたいですね。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。東京電力パワーグリッドでは、他にも生活に役立つコラムを掲載しておりますので是非、ご覧ください。
(その他のコラムはこちらからご覧いただけます)

あわせて読みたい:「洗濯乾燥機、衣類乾燥機、浴室暖房乾燥機」の特徴と違いについて解説!雨の日の強い味方を紹介します!